『まんがタイムきららミラク』2017年4月号 感想

今号の巻頭漫画感想

はりかも『うらら迷路帖

 合宿から二日。千矢さんは寝込んでしまいました。疲れたからだろう、ということですが、それがちょっと心配な紺さん。でも、普通に心配というより、どこかしょんぼりした感じのアトモスフィア。周りからも千矢さんと同じように気になる状態であります。そのことに心当たりのある臣さんが、紺さんに告げた事とは……。
 このてきめんにジェラるんじゃなく、なんだか疎外感というのでジェラっているのか凹んでいるのかな紺さんの千矢さんスキーぶりが大変萌え萌えする回となりました。ジェラりが初めての経験過ぎて自分で持て余して凹んでいる、というかこれジェラってるでいいの!? というのでもうね。どこまで千矢さん好きですかあなたは。気持ち持て余し過ぎです。でも、この話に臣さんがきっちりとフォローが入って、で舞い上がる紺さんがもうね。どこまで千矢さんが好きなんですかあなた。気持ち裏返り早すぎです。

個別チェック三連撃

上下『魔王城のお姫様』

 メルル配下となったフィオが、魔王城に波乱を巻き起こす! ということで、メルルさんの修行という甘言にまんまと騙されていたずらの手伝いをさせられることになる、フィオさんなのでした。メルルさん、やはりというか、人を使う方向性が間違ってますヨネ。この人本当にお姫様だったのかしら。そう思うくらいには、行動が気品とかないなあ。放蕩なれど出来娘と言うわけでもない。でも魔王城をかく乱する手際というか、いたずらの冴えは大変なものがあるのが、フィオさんを使ってしでかしたことで明らかな訳ですよ。何なのこの子。
 跡、フィオがこの漫画に定着する回でもありましたが、最終的にハリベルさんに師事をすることになって、尚更この漫画が面白くなってきたように思います。ハリベルさんがどういうことをさせるか、が次回のキーでしょうね。

はなこ『しましまライオン』

 誕生日! 特に決まってないけど、祝ってしまおう! と言う回。そして、ワニさんとトリさんの絆のお話。
 誕生日話としてそういえばそういうのないな、という導入から、ワニさんとトリさんの誕生日を祝う形になり、そして話はいい話の方向に向かうわけですが、絆生まれる前に死んでたかも、という話が少し挿入されて笑いを取りにきておいて、するっとワニさんが神様に願ったことが開陳され、思わぬ方向からの切ないけどもいい話で惑乱させて、その後でシマウマさんとライオンさんの昔の話も少し軸が合いそうに、というわりと見事な回であったかと思います。畜生、いい話かよ……。

描く調子『広がる地図とホウキ星』

 おい磯野ー、クエストしようぜ―。の回。クエストとしてはそれほど難度はないけど、でも初心者ならそれが当然のところですな、という感じのゆるいクエストでした。とはいえ、波乱というか、あ、これもっときついのだとやばいわ。と思わせるリンさん達の行動がほほえましくありました。クエスト場を管理しているゴーレム(基本的に野菜育ててる)のお茶目な部分とかも良かったです。後、意外とゼルダさんが頭脳と言うか統率取ってたのが個人的にはツボです。いつも寝たいタイプなのに、その隙がないから奮闘しているという感じで素晴らしくほほえましかったですよ。そしてクエスト後の品評が、今回はバランスよく動けましたね、だったのも面白かったです。勇気と無謀は紙一重だけど、それがちゃんと勇気に振れた、と言う点をきっちり評価しているのが大変良いなあ、と。こういうとこいいです。

今号の巻末漫画感想

まえじま『きのあす日和』

 女の子と女の子がキスをする、というだけでやはりまだまだダメージ受けますねえ。この漫画の方は某Trickのよりちゃんと過程が通じた形というか、某Trickがそこを着実に積み上げて大瀑布しようとしている内容をさらっとやっていて、その点が非常にやるなあ、と。どちらにしても、好きは大事ですよね。という話に落ち着く回でありました。

一応の総評

 『カラフル・マキアート』が終了しましたね。落ち着きどころとしては大変収まりは悪いんですが、それでもその中でどう落とすか、というのをしっかりやっていたのは大変好感度が高くなるですよ。ちゃんと要素を惜しみなくだして、最後にみのりさんの魔法がちゃんと出て、というのはしっかりできていたのではと。正直乗り切れない回とかもありましたが、総じて女の子が可愛い、というきららの基本を忠実にした格好ではありました。どんどんアホさが増していく形で、本当にてきがいない、という宣伝文句通り突き進んだ、その結果がこの終わりなら、それで満足したぜ……。と言えましょうか。次回作、見てみたいので気軽に帰ってきてほしい所です。
 ほとんど『カラフル・マキアート』最終回感想なので、ちゃんと他のことについても書きましょう。最近連載化したのが調子いいと思います。描く調子『広がる地図とホウキ星』が個人的には特にいいと思っております。話の広がりと、キャラクターの動かし方と、どちらも大変いいものではないかと。こういうのがあるから、ミラク読者は止められねえですよ。この漫画含め、ミラクがどこに向かうか、は分からないけれど、それがむしろいいのかも。とかなんとか書いて今回の締めとさせていただきます。