今月のまんがタイムきららチェックポイント(2014年11月号)

先に総評

 今月号は色々と試金石として見れる部分が多かったかと思います。面子としては異識『あっちこっち』が無いほぼフルメンバーであり、つまり今現在のきらら本誌というのがどういう物か、分かっているのか! という顔になるには十分なものです。そのフルメンバーでのきららですが、まず目につくのが前半。それも序盤戦でのメイン連載の有り様。それらはどれも独自の世界をきっちりと繋いでいるのが印象的ですが、その中にある篤見唯子スロウスタート』は一番連載してからが新しい作品でありますが、その中でやはり独自の方向性をきっちりと、そのいい雰囲気の出し方を出しているのが特に印象に残ります。案外やる漫画なのでは、と評価を新たにしたい所です。
 そして後半戦。ここからが弱く感じるのが今のきららにおいて重要な点。まだ一巻も出てない、新人と言えるラインがここに既に入ってるのが辛いと言えましょう。ゲストも多く、安定した感じを受けません。実際、阿部かなり『サンタクロース・オフ!』のセンタカラー連続くらいしかいい話題がないのではないでしょうか。そういう意味では、新規の作品が育っていないという見方もできようものです。この点がきらら本誌の弱点として立ち上がってきます。世代交代が中々難しいものだと感じます。
 新連載一つ増加しつつ次回最終回もあり、と入れ替え戦は地味な展開。ですが、フライ『はなまるスパイラル』は単行本が出る事もなくの終了となってしまいました。ゲスト上がりから連載になってそんなに時間が経ってないこの状況。何があったのかと思ってしまいます。最近こういうぶったぎり多くないですかね……。そういう不穏な気持ちになる今月のきららなのでした。

個別チェック三連弾

  • 津留崎優『箱入りドロップス』
    • クリスマス回。陽一はどう考えてもリア充ですヨネ……。バイト先の人達が胡乱になるのもむべなるかな。つか、彼女がいる相ノ木より3人の女の子に囲まれる陽一の方がリア充度高いですヨネ……。相ノ木と萌さんの方は色っぽい話になってないっぺれえ、相ノ木が店でご飯食べさせてあげてるのがツイッターで分かるけど、萌さんが食に気持ち行き過ぎてて、でもそんな萌さんを見るのが幸せだぜ……、ってなってるっぺれえのと比べる方がどうなのか。むしろそっちの方もリア充度高いっっちゃ高いのかもなので、比べる事じゃないのかもしれませんね。そしてサンタさんは、いない! とついに雫さんの持つファンタジーが砕かれた! で終わってその後のフォローがどうなったのか分からないので困ります。一番困ったのは雫さんの姉さんの睡眠導入剤でしたが。がっついた男子だったら碌でもない事になってたのが何故分からない姉! まあ、陽一はそういう奴じゃなかったので、トイレに流されて無かった事になりましたが。
  • 阿部かなり『サンタクロース・オフ!』
    • 花見! よりも咲ちゃんのスペックの高さがどうにも面白いです。運動も高スペックですが、口先三寸も高性能でペラペラと口から出まかせしてるのが印象的です。運動系はそういうのに弱い場合が多いものですが、それを覆すキャラ立ちをしているなあ、そして花見の席の楽しさと、楽しみ方が中々良かったかと。花の下だけが見所じゃないんだよ。という小学生にあるまじき発案と、でも結局遊ぶ方に意識が向いて、という小学生らしさが相まって中々の味わい。花見の花を見るというのは、サンタさん達がやってるので、そういう意味では隙がない構成だったなあ、と。にしても雪日の後二つ、どう考えても手に入れるの難しそうだなー。瞬間移動と時間操作だからなあ。浮遊となんでも会話とは格が違う感すらある。そして謎の手紙。どうなるか。
  • シュガー『さつきコンプレックス』
    • ナオさん、男前。何をしたとか語らないし、見せもしない。それが男らしい。女の子だけど。練習なのにぐにゃあしてたけど、女の子です。女の子なんですよ! なんかそういう部分の掘り返しあってもいいよなあ。そうすると作品の方向性変わっちゃうかもか。

今月のワンワード

そこは制服でしょう!!

  • なんで園部さんがナチュラルにいるんですかねー! その後では出てないので、あの一言の為だけに侵入したんでしょうかあの人。