今、まんがタイムきららMAXが熱い。2020

まんがタイムきららMAX 2020年 04 月号 [雑誌]

突然どうしたかと言うと。

 ワタクシ、今、まんがタイムきららMAX(以降MAX)が激熱だと思っているのですが、何故そのように思うのか、というのを明示していかずには居られなくなったのです。長期勢、若手勢、そして新人勢。どれも粒ぞろいであり、気が付いたらここまで仕上がっていた、と言っていい。それほど、今のMAXは爛熟期に突入しているのです。それについて書かないで何をやせん! やんややんや! というテンションなのです。
 ということで、MAXについて、語るぞ、俺は! ということになります。よろしく勇気!

まず長期連載勢について

 MAXでの長期勢というなら何をかいわんや。というレベルでの二枚看板があります。そう、原悠衣きんいろモザイク』とKoi『ご注文はうさぎですか?』です。この二作はまさにMAXのゴールデンコンビ。偶に狂気めいたとこもあるけど、萌えとギャグ調が高いレベルでまとまっているきんモザと、偶におかしいめいたとこもあるけど、萌えとコメディが高いレベルでまとまっているごちうさ。どちらもアニメ化もし、きららの中でもMAXがある、と言うのを知らしめていた作品です。
 BUT、ここで悲しいお知らせをしなければなりません。というのも、原悠衣きんいろモザイク』が、2020年5月号、つまり3月発売号を持って最終回を迎えるのです。これは昨年の段階でカウントダウンが勃発しており、きんモザファンはアビ=インフェルノ・ジゴクに叩き落されております。
 ってお前、いきなりMAXの看板が一つ落ちるじゃねえか! なんでそれなのにお薦めしてるんだよ!? と思われる方もおられるでしょう。それについてはこう答えます。
 こんな時、だからこそだろうがっ!!
 『コミックマスターJ』からの引用ですが、しかし、二枚看板の片方が欠ける、そんな時だからこそ、MAXが今大変な地力の強さを持っている、というのを証明出来ると考えるのです。というかきんモザ最終回特需で買って、そのままMAXの力に酔いしれればいいのよ! という目論見もあって、この文章を書いています。
 さておき。
 その地力を支える長期連載陣は、くろば・Uステラのまほう』と、はんざわかおりこみっくがーるず』。どちらも安定した長期連載となっており、且つどちらもアニメ化経験済みであります。片や同人ゲー、片や漫画、とどちらもクリエイターな話である、という共通点以外は、どちらも違った尖り方をした作品です。長期連載出来る所以のある尖り方なので、途中からでも気になる漫画、になるかと思います。個人的にはこみがの偶に飛んでくる人間関係のエッジが効いた回が好きです。本当に暴力的なエッジなんですよ……、かおすちゃん先生じゃないけど尊くて……。

2巻以内勢

 単行本を2冊以内、出した勢のことを、いまそう言うことにします。きららにおいて2巻というのは中々険しい壁で、これを越えられると長期連載も見えるけど、でないと所謂2巻乙を食らってしまう。そういう部分なのです。
 それはさておき、今のMAXはここが中々に強靭! 無敵! 最強!! ってくらいにムキムキしております。逆に言うと、1、2年前は結構この辺りがスカスカだったということでもある……。そういう過去は今は抜きにして、このムキムキっぷりを4作ほど取り上げて語って行きましょう。
 まず、タツノコッソ『社畜さんと家出少女』。女子高生と社畜社会人(女性)の共同生活の話ですが、その二人の関係性が大変濃密で、百合! って感じは強くはないんだけど、気持ちが通ずる相手、あるいは通じようとする関係というのはいいものだな。というタイプの作品です。それでいてきっちりとクリティカルなとこ、女子高生側の家との関係とか、はぬからないので、そう言う意味では信頼性のある作品と言えるでしょう。
 次に、なじみ『しょうこセンセイ!』。天才子供先生という、人によってはクリティカルなしょうこセンセイの活動を暖かく見守る漫画です。しょうこセンセイはちゃんと先生しているし頭もいいんだけど、所々子供なんだなあ、というのがあって、でもそれが悪いことではない、という所作をされるのが好きです。後、学校中の人がしょうこセンセイ大好き過ぎるので偶に大丈夫なのかってネタもあります。そこがいいんだ……。
 お次は、スーパーまさら&うみのとも『私を球場へ連れてって!』。野球観戦物、というわりとニッチなところを突きながら、これ単におっさんを女の子に代えただけですよね!? というツッコミすら許容するくらい、余裕のある、あるいは無い野球観戦あるあるをぶっぱしてくる漫画です。というか、おっさんでやったら速攻角が立つところを、女子高生で置き換える、という手管にしてきた時点でこの漫画のありようは決まっていたと言っていいでしょう。好き。
 最後は、はまじあき『ぼっち・ざ・ろっく!』。次に来る漫画大賞で上位に入った漫画なので、名前くらいは知っているという方もいらっしゃるでしょうが、どういう漫画かというと、陰キャだけどギターは上手い後藤ひとり、ぼっちちゃんという女が、そのギター一本で成りあがっていく。はずの漫画です。基本は陰キャ拗らせすぎて舞台にもまともに立てない時があるぼっちちゃんの明日はどっちだ!? と言った方が早いでしょうか。本当に明日はどっちなのか……。ちなみにぼっちちゃんはぼっちがこじれているので、合わせる必要があるバンドになるとギターの腕が下手くそになります。本当に明日はどっちだ……。
 これらの作品が、誌面の彩度を上げているのが、現在のきららMAXの実際、と言えるでしょう。

新連載枠

 さあ、今回のメインイベントですよ! とテンションを上げてまいりましょう、新連載枠。ここではまだ始まって単行本も出てないけど、こいつええで! というやつをカカッと挙げていき、この辺を乞うご期待! とする枠です。今のMAXが良い、というのはこの部分の良さがいずれ誌面を引っ張っていくだろうという期待を込めての言葉なのです。御託はいい。始めるぞ。(ガイル感)
 まず一つ目は宇崎うそ『ななどなどなど』。学校に行かず引きこもっているお嬢様っ子のところに、ヒューマノイド、ななどがエントリーだ! する漫画です。引きこもっているっても下賤の相手と一緒に? ってタイプ。このこじらせ……! ってところに、やたら天真爛漫なヒューマノイドがわちゃわちゃして、結果学校に行って、それから交友関係が広がって、という風にこう書くととんとん拍子なのに実際は紆余曲折あり過ぎるとこが見どころ。
 二つ目。セトユーキ『六条さんのアトリビュート』。とあるアパートに引っ越したところに、芸術学生な幽霊が! というかその霊が住んでたとこに入居だよ!? という話。幽霊の六条さんが余り幽霊ぽくないというか、生前の記憶が美術系のもの以外さっぱりだとか、なんか飯は食うとか、そもそも結構人に見られるとか、というので、妙な存在感の強さを誇っているのが見どころ。同居する女の子も芸術系のとこに、なのでそことどう噛み合うのかが今後の見所でしょう。
 三つ目! カコベン『ハルメタルドールズ』。ポップスが好きで歌いたい、のにギターを持つとデスメタルの魂が発動してしまう、という、ある意味クラウザーさんな女の子が、どんどんとデスメタルの洗礼を浴びていく、という漫画。バンド系では既に『ぼっち・ざ・ろっく!』がある中でもやってくるだけのことはあり、奇人変人大集合漫画であります。このままデスメタルモンスターになっていくのか、それとも、という部分が見えないのが楽しい所。というか、ギター持つと、ならギター以外の楽器を持てばいいのでは……。とも思いますが、そういうことをすると話が変わっちゃいますからね!
 最後の四つ目。こかむも『ぬるめた』。ちょっと変な4人(うち一名は人造人間)が織りなすハチャメチャコメディです。ハチャメチャ、という言葉すら生ぬるい。そんなコメディです。個人的にはここ最近の新連載、というか連載化は今年の5月号からなんですが確定なので新連載と言っちゃいます、の中では出色の出来で、しかしエッジが効き過ぎてハマらない人がいるのもむしろわかる、というやつなのですが、それでもこれは来る、柴田理恵顔で、「来ます!」って言える一作なので、今から青田買いしているとすぐにでかい顔出来るので、皆さんも推してください。この項を書く最大の理由がこれをいい、ということだったりする僕からのお願いだ!
 という感じに新連載陣は中々に出来ております。この新陳代謝の上手くいったMAXが、今後のきらら系をひっぱっていく。そう確信するのです。

つまり、どういうことだってばよ……。

 とりあえず言える事は、MAXは現在のきらら系の中でも今一番良い、ということです。特に2巻手前とか新連載枠の勢いが強く、MAXを新たなステージ、きんモザごちうさだけではない、というのを知らしめるステージに立っていると勝手に思っているのです。きんモザは確かに終わる。だが、MAXは全然大丈夫なのだ! そう、伝えたいのです。
 ということで、来月のMAXを買って、きんモザ読んで終わりとせず、他の漫画も読んでいただきたい。そしてMAXを、あるいはFuzでもいいけど、購入し始めていただきたい。そう願ってやまない。ただそれだけなのです……。
 とかなんとか言って、この項は終了とさせていただきます。