感想 鳴見なる 『ラーメン大好き小泉さん』2巻

 大体の内容「女子高生が! ラーメンを! どんどん食べる!」。説明! と言うほどの説明は特に必要無いくらい、ラーメン大好き小泉さんが、ただひたすら美味そうにラーメンを食べる漫画。それが『ラーメン大好き小泉さん』なのです。名は体を表すの具現と言える漫画なのですよ。
 基本筋というのは1巻(感想)とそう変わらない、小泉さんがラーメンを、食う!(グルグル目) というグルグル目を出しても特に不思議じゃないくらいにラーメンを食いまくる漫画である『ラーメン大好き小泉さん』ですが、細かい所では色々と変化があります。その部分というのは小泉さんの交友関係でしょう。元々小泉さんを大澤さんが追いかけるという方向性の中で、小泉さんがスルーからのラーメン爆食ぶっぱするのがこの漫画の最初の頃でしたが、そのスルー具合に変化が、なんとなくだけど、ちょっと構ってあげている部分が出てきているのです。この巻での十九杯目「名古屋」において、小泉さんが、いる! というのを目撃して手持ち全くなしで新幹線から降りた大澤さんに対して、大澤さんの目撃が正しく本当に名古屋に居た小泉さんが、いつもの冷静さを多めにとはいえ、ちゃんと助けていっしょにラーメンを食べる(主目的がそれで名古屋に来てたのもありますが)小泉さん優しい案件なのでうs。とはいえ、基本的にスルー案件である事は変わり無いようで、例えばこの巻の十三杯目「ようしょくてん」では付いてきた大澤さんと結局一緒にラーメン食べる、けど立ち食いだからって隣にいきませんよ。する辺りにそれが表れています。このクールな所、そしてそれに対してのラーメンへの情熱の熱さが小泉さんの魅力と言えましょう。
 さておき。
 この巻でも小泉さんのラーメン爆食オンリー漫画なこの漫画なので、空腹時に見ると大変危険度が高い訳ですが、個人的な感想としてはコンビニラーメン回が素晴らしくメシテロです。他のラーメン回は、一風堂回以外はわてくしの郷里では得られないタイプばかりなので、それでも腹が減るとはいえども代わりが無いのでそしてこの諦念……。するしかない訳ですよ。だから無理やりだけど耐えられる。でも、コンビニラーメンは、郷里でも全力で楽しめる。イートインがあるとこ少ないとはいえ、やろうと思えば暑いまたは寒い最中で外で食う選択肢すらあるので、つまり郷里でも出来る。出来るのだ! という事態なのです。特にトッピングまでもコンビニで買えるようになった昨今をきっちり使いきっている小泉さんのそのラーメンに対する情熱と組み合わせラーメンの面白さと美味そうさが交錯して、やってみたい! と思わせられてもう駄目。は、腹がー!
 さておき。
 この巻でラーメン以外で気になったのは二つ。一つは既に書いてますが大澤さんへの対応がちょっと変わってきた事。もう一つは十二杯目「博物館」での幼女の迷子への対応です。基本的にクールな小泉さんが、その幼女に対してもやっぱりクールめで迷子だな、というのでそそそとスルー気味でラーメン博物館内を移動、したら付いてきて、という流れですが、ラーメン屋まで結局付いてきた幼女が近親者だと思われて、ラーメンと一緒にお子様用取り皿出されて、となる辺りが個人的に良かったです。いや、違います、と言ってもするっと出されてしまって、そこで観念して、浴衣用のクリップをつけてこうしないと汚れますからね、するのが良いのですよ。基本的に人がいいんだよなあ。最初スルーしそうだったですけれども。そういう部分で魅力が出る小泉さんが、でも基本はひたすら食うのが、この漫画の凄みですね。相変わらず食ってる時は特にモノローグとか思考とか入らずで、無心で食ってるというのが表されてて、食に無駄な言葉は必要ないんだなあ、とか。この味わいのまま、続いて欲しいものです。
 とかなんとか。