感想 小野寺浩二×石黒正数 『ソレミテ それでも霊が見てみたい』3巻

 大体の内容「それでも、それでも霊が、見てみたい!」。と言う事で、3巻にて『ソレミテ』終了であります。霊が見れたのか? という問いに対してはンフフフハハハハハハッ! とリチャード副大統領(『メタルウルフカオス』) の笑い方でごまかしていいですか? といいたい所です。色々察していただきたい。あのある意味衝撃的すぎる、その手があったか! と膝ドンするくらいのオチはある意味で必見なので、出来るだけ自分の目で見て、そして膝ドンしていただきたい。
 それはさておき。
 この漫画の基本である、霊が見たい! でも見れない!! というのは本当に長々とありました。見れないから、行く場所もどんどんとエスカレートし、都内有名箇所は勿論、青木ヶ原樹海や恐山まで行ってしまいます。そこで、どうなったか、というのはいつも通りだった! で済んでしまう辺り、この漫画が心霊体験出来ない談という頂に孤高に立ちつくしている感が半端ではありません。樹海もマジ迷うんだな! という別の意味で危険エピソードだったり、恐山は静謐な空気を感じる場所だな! と目的が違ってるとかだったり、この漫画としての通常エピソードとしては正しいんですが、心霊体験談としては完全に方向性間違ってて、でも故に楽しいから困りものです。そして、デラさん達が闇に分け入る体験し過ぎたせいで、闇怖くない! と無駄に耐性をつけてしまったのも困りもの。この漫画で闇怖くなくなったら、本当に霊が出る以外に怖がりどころゼロじゃねえか!
 それはさておき。
 今回の巻での特徴点、先のロケ先がマジガチになった以外では、『ムー』編集部の方達と霊体験を! という回。先にオチを書くとやっぱり見れないんですが、それで申し訳ねえ、申し訳ねえ! ってするデラさん達とこちらこそ申し訳ねえ! する『ムー』編集部の方達が大変面白かったです。思わせぶりで出るんじゃねえか今回は! と一瞬でも思った俺の気持ちを返してください。とはいえ、本の中腹にある段階で見れてないなとは分かってましたがね! でも、なんかあるかもって思うやないですか! それがさっぱり、でもないか。下半身に痛みが、というのとそこで起きた事件も下半身に関連していて、というので、やっぱり何かあったのかも、とは思えました。なのにデラさん達に全くそういうの起きないから、そう言う意味では<心霊体験の陥穽>とか特殊能力名つけたいレベルです。なんでこんなに何もないんだ、デラさん達。最後までネックだったなあ、そこが。そして漫画として成立させる為にこれは! って演出いれても結局無いんでしょ? とか思えてしまったので、そろそろ潮目だったのかもしれません。
 そして、あの驚愕のオチ。成程、そう来ますか! 確かにその言は信ぴょう性がある! 今まで本当に遭わなかったもんね! という納得が全てを優先するとはいえ、お前それでいいのか? という気持ちも同時に湧いてきます。本当に、とんでもないんだけど確かに今までの流れからするとそう結論付けざるを得ないんだけど、だけどさあ!
 とかなんとか。