承前
まんがタイムきららキャラットから三作を取り上げて、それぞれについて感想を書くという試みです。たまに数が増えたり減ったりする予定ですが、まあそれはそれという事で。
選ぶのはある程度の方針として、前、中、後と衛の定点観測としたい所ですが、それでもほぼ自分の趣味が全開になってしまうでしょう。これ、と言う作品のが最終的に出来る場合も考えられますが、それならそれでいいかなあ、程度のゆるい縛りで行こうかと思います。
それではいってみましょう。
蒼樹うめ『ひだまりスケッチ』
修学旅行編もやっとこさ二日目に突入! 存分に旅を楽しむゆのさん達ですが、なずなさんの思うように色々描いて、というのはありません。ないのです! まあ、画材持って行ってないとそうそう書かないよなー、というのと、それ以前に折角の旅行なら楽しむ気持ちが強いよなー、というのは皆さまもご経験がおありかもしれません。つまり、描いてないゆのさん達を責められる人はどこにもいないのです! と言う謎の擁護はさておいて、中山さんの変な貞操観念が今回のハイライト。男性の運転する物に乗るなんて! ってそりゃ男性ですよ、人力車動かすのは。女性で人力車動かしてる人なんて今まで聞いたことないですよ。あれ、相当の重労働なんですからね? というツッコミが出ましたが、恥ずかしがっている中山さんがやたら可愛かったのでイーブンですね。←え?
伊藤いづも『まちカドまぞく』
都合上、桃さんの魔力をいただいてしまったシャミ子。このままだとこの街が守れないから、手伝ってね、という桃さんが最初にしたこと。それはシャミ子の特訓! ということでタイヤ引きという古風な特訓が始まる、ならいいんですが、タイヤはタイヤでも鉱山車両の超でかいやつを持ってきてしまう桃さんはどういう発想なんですか? というかもしかして桃さん脳筋? と思ったら、魔力を付けるには色々と力を持てばいいからまず筋力をつけよう。それから筋力を。とか言い出して完全に脳筋だこれー!? となってゲラゲラ。普通の人は鉱山車両のタイヤ動かせないってツッコミに、そうなの!? ってなってたとこが特に良かったです。自分が動かせるから完全に出来ない人のこと考えてなかったですね、あれは。ということは、結構物心つく辺りからああいうの持てたのかしら、桃さん。そら脳筋に育つわ。
笛『へんてこバスと飴玉くるり』
色々と紆余曲折ありながら、ようやく完成したビー玉ちゃんの詩。それに絵を付ける、というので月光号内でイラスト大会めいた雰囲気に。そんな中、詩のイメージを大きく大きく描くのがサヨナラちゃん。用紙からはみ出るその絵は、しかしビー玉ちゃんのインスピレーションにも影響を与えて……。普段そんなに主張のないサヨナラちゃんのイメージが大きく、それもこの漫画らしい大きさで描かれて、この絵に引き込まれる人がいて、そしてそれが最終的にビー玉ちゃんの詩集の挿絵になる、という話の流れが綺麗で見事でした。結局小さく描けないのは科学技術でどうにかする、というのがある意味現代的ですね。小さく描けないと駄目、ではなく、ちゃんとフォローする周りがいる、というのはいいものだなあ、とも思いました。