感想 日当帖 『ODETTE』3巻


日当帖 オデット ODETTE(3)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

 大体の内容「今日も楽しいデート日和」。今日も多恵さんと猫氏はおデート。色んな所へ、あちこちへ。ちょっと天気が悪い日とかもあるけれど、それでも楽しいデート日和。それが『ODETTE』なのです。
 この漫画の良さと言うのは何か、という大上段をぶっぱしますと、それはただデートすることです。それのどこが良さなのか。それはただのデートを楽しめるくらいに仲が良いということです。いい関係性をしているということです。だから、どんなデートも、素晴らしいものとして立ち上がってきます。その素晴らしさを見る。それがこの漫画の面白さであり良さなのであります。
 この巻では、植物園に行ったけど、ちょっと失敗な形になった雨の日の話があります。雨天決行したけど、肝心のところが休園、というのでちょっとしょぼくれたりもしますが、馴染みの喫茶店で外で食べるつもりだったお弁当を食べて満足したりします。こういうのは仲が良くないと全く駄目なデートになるところです。それが、でも楽しいね、ってなるのがこの多恵さんと猫氏の関係性の良さを垣間見える箇所となっております。この関係性の良さというのが、この漫画のキーとなるかと思います。
 多恵さんと猫氏は仲がいいです。一緒に蚤の市に行ってお互いに見たいものを見る為に一時間後に! っていっているのに何故か一緒に行動して一時間経っていたり、どちらもおニューの靴で一緒にお出掛けしたり、一緒にお腹がぐーぐーなって食べ物待ちしたり。夜の工場クルーズをしてみたり。どれも大したことじゃない。でも二人とも楽しんでいる。そして二人でいるのが楽しそうである。そういう関係と言うのを見る、というのがこうも心地いいのか。そういうものが、この漫画の基本なのです。こういい関係性はいいな。素敵だな。そういう感想が出る。その良さ、心地よさ。それがこの漫画の素晴らしい点と言えるでしょう。
 まあ、そんなおためごかしはさておき、個人的に好きな回の話でも。やはり、おニューの靴を履いておデートの回は最高やで。基本的にデートするだけの漫画ですが、その中でもおニューの靴回は本当に、おニューの靴以外のイベント性のない本当に普通のおデートの回なんですよ。その緩やかだけど楽しそうな、でもただの普通のデートというのをやって、実はおニューの靴! で成立するというのがウルトラテクニックですよ。それもよく考えるとイベント性特に強くないんですが、でもなんかきっちり収まった感じを醸し出しているんですから、本当に。両者ともおニューの靴で、という仲の良さもきっちりとしているのも好感度を高くさせてくれるといおうものです。
 いやあ、いい関係って本当にいいものだなあ。そんな感想が出るのが、『ODETTE』3巻なのでありました。