感想 OYSTER 『新婚のいろはさん』3巻

新婚のいろはさん(3) (アクションコミックス)
新婚のいろはさん : 3 (アクションコミックス)
画像が紙版、商品名がkindle版。

 大体の内容「相変わらず仲がよろしいことで!」。今回も仲睦まじい夫婦生活。本当に……「ありがとう」…それしか言う言葉がみつからない…。というくらいに仲睦まじさが臨界を迎えて、しかしまだまだ仲は睦まじくなっていくんだぜえ! という漫画。それが『新婚のいろはさん』なのです。
 この漫画も3巻目、季節にして秋の気配となりまして、内容の方の色合いもまた変わってまいりました。しかし、その色に退廃のそれはなく、秋ゆえの色めき具合なのです。
 すいません。ちょっと語る事がまとまらないので変な叙述に走りました。ちゃんとします、が、しかし今回も基本イチャイチャしてた、で終わってしまう内容なのです。メインの2人である、夫のはじめさんも妻のいろはさんも、うぇーい! ってタイプじゃないので羽目は外さないですが、でもちょっと普通とは違う感じの羽目の外し方もしたりして、それがこの漫画の面白みとして立ち上がっているのですが、でもやっぱり超特筆! って感じじゃない微妙さもあり、つまり中々上手く言いづらいんですよ!
 また話がそれました。本筋に戻します。今回もこの二人らしいイチャコラをしていますが、個人的に好きだったところ、ところは多い。というか全部で、言い出すときりがないので三点にします。
 一点目。いろはさんと道の駅に行ったはじめさん。突然スマホを取り出し写真を、というのでいろはさんが撮られるのか、と構えたところではじめさんはその周囲を撮影。車の場所を忘れた時用の保険だったのです! のところが大変いいです。一点目から話が細かいですが、まあついてきてください。で、ですね、何がいいってやっぱりいろはさんが突如の撮影で「お、おう?」とか言いながら瞬時にピースサインをするところ、からの、周囲撮影でしたー、で「お、おう!!」って言っちゃうところですね。あまりに唐突で変な声出しちゃうところが最高です。でも、おうって勇ましい感じだなあ! というのと、実ははじめさんがそれ込みで狙ってやったのでは? とも思える点がいいです。それらしい描写が無いので妄想ですが! 後、更に細かく言うとピースサインのとこの擬音の、ぴす、が間の抜け具合があっていいなあ、とも。瞬時だったのでぴすになった感というか。拙速の感じがひしひしでていて堪りません。こういうとこよ!
 二点目。はじめさんの恩師の所にいく回の、その恩師が「この男はマンガ以外の事が本当にからっきしです。くれぐれも頼みます!!」というシーン。基本おちゃらけな恩師なのに、そこだけは本当にきっちりとしていて、それがゆえに本当にはじめさんのことを気にかけていたんだなあ、というのが伝わってくる、この漫画では珍しく真面目にいいシーンです。その後で、弟子の自分がしっかりしておかないと、恩師に迷惑が掛かる、というはじめさんの真面目なところも出てきて、入りはコミカルだったのにわりと真面目、シリアスではない、に終わった、と思ったらいろはさんの奥さまムーブ! で色んな意味で捗ってしまってもう駄目。匙加減が絶妙な回となりました。好き。
 三点目。夫婦喧嘩回、ではなく、その次の星の良く見える公園回。イチャコラ回は毎度ですが、この回はこの漫画の良さを全て煮だしたと言ってもいいレベルで、全要素OYSTER味といっても過言ではありません。もう、本当に全部オイ先生の味わいなのです。どこを取っても最高、勿論OYSTER味として、なので、とりあえず初めて見るならこの回なのでは!? と最新刊の最後の方を指して言うという暴挙にすら出たいくらいです。一番好きなのは「この山の高さを有効利用しましたね!!」ですね。大したこと言ってないのにテンションで言って/行ってしまうオイ先生の基本スキルの最高峰です。だからどうした感が半端ねえんですよ……。このネタだけでこの星の良く見える公園回は成り立っているんですよ。冗談です!
 ということで、いつものイチャコラ漫画でありつつも、やっぱりオイ先生の味はいいなあ、と思わせるところもきっちりある。そういう、ある意味神回ばかりな気がする、という儲話をしてしまいました。特に難しい設定とかもないので、3巻からでも容易に入れるので、こっから入るのも問題ない! と強弁して、この感想を終えたいと思います。