ネタバレ感想 坂崎ふれでぃ 『サバゲっぱなし』1巻


サバゲっぱなし(1) (サンデーGXコミックス)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

大体の内容「ハマる女!」。ということで、唐突に波乱を求めて入ったバーで、サバゲ―に巡り合うことになった木枯ニコさんの正しい意味でのハイテンションサバゲライフ。それが『サバゲっぱなし』なのです。
さておき、皆様方におかれましては、サバゲ、というとどういう印象を持たれているでしょうか。撃ちあいなんて野蛮だとか、摸擬銃に金かけて馬鹿みたいだとか、そういうネガティブな印象があったりはしないでしょうか。その点については、この漫画は深く掘り下げる展開は今のところありません。あるのは、サバゲって楽しい! という初心者のプリミティブな喜びです。一番の視座である木枯ニコさんが、サバゲの良さにどんどんハマっていくので、それには当然いい思い、好きになったがゆえの視野狭窄でもありますが、が前面に出てきます。それが大体高いテンションでまくしたてられるのです。それに対してうっとうしいと思うか、好きになって良かったね! と思うかでこの漫画に対するジャッジがされるかと思いますが、個人的には好きを言葉にしないと収まらない、という前のめりな好き加減が大変良いものである、と感じました。じっくり心の内で抑え込めないくらいに好きが迸っている様、素敵ですよ。
さておき。
感想として好きな回についてあげたいですが、まず銃を買いに行く回、メインとサブを買いに二度行きますが、は大変ニコさんがかっ飛ばしており、その上で初心者ならではの選択もあり、中々波乱万丈です。でもその急こう配が好きなのではなく、自宅に帰って試し打ちして、「これが最強の銃だわ!」って好きな一丁になるシークエンスがいいです。初心者だけど、選び取った最強の銃という概念によってハマリ確定的になっている様が素晴らしい。この後それをサブにしてメインを買ったりもしますが、でも最初の銃の感触というのは良かっただろうなあ、と思うとにっこりしたくなる場面でした。
さておき。
なんでこんなにニコさんたちが輝いて見えるのだろう。という命題が個人的にあったりしたんですよ。メインの中でもニコさんは特に輝いておりまして、その根源とは、というのが頭をよぎった訳です。それに関しては、日々に刺激が無く、好きなものが無かったのが、突如として非日常にスライドして刺激に満ちた世界に、そしてそれが好きになることによって一気に花咲いたからだと思います。元々テンションが高めで、怪しい店はないかしら! でサバゲパブに突入するくらいのお人ですが、それにかっちりと趣味が噛み合ったら、そりゃ花が咲くに違いありませんよ。
ニコさん自体、わりとそう言うの無くても花咲かせられた、好奇心は旺盛だったし、とも思うんですが、でもそこでサバゲに出会ったという縁で、サバゲの花を咲かせるニコさんは楽しそうでした。
喜の感情が鋭く大きいニコさんのキャッキャキャッキャを見ていて、なんかサバゲって楽しそうだな、とすら思ったので、そういう意味ではこの漫画のサバゲダイレクトマーケティングは成功しているかもしれません。特に室内戦でのニコさん以下バトる面々の俺が主役だ! って自分の愛銃を見せびらかす展開とか大変良かったです。人の分だけサバゲ道はあるんだなあ、と、感じさせてくれる一幕で、そして皆さん大変楽しそうで、だったので、単なるドンパチと思っていた自分には目から鱗がぼんがぼんが落ちました。それぞれにストーリーが出来ちゃうんだなあ。
ということで、坂崎ふれでぃサバゲっぱなし』でした。いかがだったでしょうか。初心者が深みにはまっていく様、そしてサバゲの持つ魅力。どれも面白そうだなあ、ニコさん。と素直に見つつ、ついでにサバゲに興味も出てくる内容となっております。テンション高めに好きになる女性は好きですか? という問いにイエス! と言えれば間違いなくお勧めできますので、手に取ってみてはいかがでしょうか。
とかなんとか。