明音 『ぷちます!』11巻

ぷちます!(11) (電撃コミックスEX)

ぷちます!(11) (電撃コミックスEX)

 

 大体の内容「連載10周年だよ!やったね、た(略)」。ということで、何の因果かアイドルマスターシリーズスピンアウト作品の中でも最年長の部類になった『ぷちます!』なのです。

 十年一昔という名台詞を知らないのかよ。という上から目線から導入しますが、それにしたて10年ですよ。その間にアイマスには色々ありました。ほぼ『ぷちます!』オンリー勢の私でも、何があったかということは言えるくらい、大きいことから小さいことまで様々にあったのです。その中にあって、ぶれずにこの漫画らしさを、オーラロードを貫かん勢いで貫き通した『ぷちます!』の存在感は一際です。むしろ少しブレてくれなさい。という発言をしたいくらい、己の道をどんどんどんどん進んでいく様は、一周回って崇敬に値するようになってしまっています。この漫画、どこまで行くのか。

 そういうお為ごかしはさておき。

 今回の巻では律子さんの出番が多かったのが個人的に三指に入るんですが、残り二指の印象が強過ぎてわりと霞むんですよ。その話をつらつらとしたいと思います。

 二指の内の一つは、四条流を伊織さんが使ったことです。特に直伝とかした感じじゃないのに、雪合戦回で雪玉をさらりと四条流流し行灯を使っていました。四条さんに雪玉投げられて、という流れなのも正直驚愕。師にみせる、というのでもなく普通に驚愕されてましたしね。というか、このままだと四条流使える人が加速度的に増えそうで震えます。笑いで。鬼丸流葬兵術じゃねえんだぞ!

 もう一つは、響が眼鏡をかけましてございますー!

 なにぃ!? それは真実(まこと)であろうな! という感じにボンガロギース驚愕してしまいました。事務の仕事を手伝うことになって、何故かというか有難いことに眼鏡を、眼鏡をかけてくれたのです! 特にそこに対する特別な行動はないんですが、なんというかこう、あさりの中に小蟹が入ってたような、でもそれが眼鏡というこの僥倖。ありがてえ、ありがてえ……! 眼鏡っ子が増えたのがありがてえ。それも響さんという全く可能性を考慮したことのない側面からのダイレクトアタック! ぐおおおおおお! ってコロコロ地面を転がってしまうくらいの衝撃! ありがてえ、ありがてぇ……!

 さておき。

 この漫画、初期からぷちがいるというのもあって、アイドルさん方が他のアイマス世界線よりフリーダムでしたが、それが10年も経つとフリーダムを越えてストライクフリーダムになってしまっています。先に書いた伊織さんが四条流を使ったのもですが、やよいさんが伊織さんを強引に宿泊させたり、春香さんがぷちたちを着せ替えしようとして異様なテンションで襲ったり、小鳥さんが尊い映像を記録する為に物凄い勢いで仕事をし始めたり、千早さんがとにかくアトモスフィアがおかしかったり、これ、訴えられたら負けるんじゃないか? という謎の勝敗を思ってしまうストライクフリーダムさです。

 ですが、だからこそだろうがっ! と言えます。こうやって自由に、他の世界線では味わえない良い味わい、癖のある部分もありますが、を楽しめる。このアイマスという作品世界の豊潤さ。それを皆、もっと等しく与えられるべきなのです。『ぷちます!』 is 最高。なのです。

 とかなんとか。