感想 野上武志 『ガールズ&パンツァー リボンの武者』9巻


ガールズ&パンツァー リボンの武者 9 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

大体の内容「<大鍋>二回戦はまさかまさかの!?」。
ということで、タンカスロン大会<大鍋>は二回戦に突入。しかしここで驚愕の展開が! というのが、『ガールズ&パンツァー リボンの武者』9巻の肝なのです。
<大鍋>二回戦は、そのままだったら普通に二回戦の対戦相手だったチームと合同し、バトルロイヤルを戦う、というもの。ということで、ここで対戦か、と思われたしずか姫とヤイカさんは呉越同舟の形に。いやあ、その方向性は全く読めなんだですよ。もうしずか姫とヤイカさん戦かー、って呑気に構えていた私の不明を恥じるところです。
さておき。
このバトルロイヤル、一筋縄ではいきません。撃墜数と残存数がポイントとして加算されるようですが、戦車の回復ポイントが存在するのです。白旗出ても直せる、というので、これがどう影響するのかは9巻範囲内ではまだ未知数なのですが、ダー様が絵図を描いているこの大会なので、なんかとんでもないウルトラ技を見せられるような気が、今からしています。この絵図をどう理解するか、が勝敗にダイレクトにかかわってきそうです。
さておき。
バトルロイヤルですから、今回は乱戦の様相です。まずはまほさん目掛けてあっちからこっちから、と犬追物の形になっていましたが、その中できっちりと囮として、殿としてまほさんが受け切っていたのが印象的です。一回戦でも竪琴高校を一機で手玉に取っていたその実力が今回も発揮されます。その上で、以前の約束、そう、エリカさんたちのチームを破ったら対戦、というしずか姫とのそれをきっちりと果たしつつ、な辺りが本当にまほさんがしゅごい……。ってなります。対するしずか姫は一目散に行き過ぎてヤイカさんに囮乙な扱いでした。そこからもまた、まほさんの凄みが見えてくる、という構図でありました。
さておき。
主の筋はそうなのですが、脇道というか、副流でも見せてくれるのがこの漫画のいいところ。今回は西さんとバイクの取り合わせがすこぶる決まっていたところとか、もう出来ないと思っていたまほさん指揮での黒森峰というのにじんときたりとか、カチューシャが素晴らしいオリジナル笑顔をしていたのが印象に残っています。特にカチューシャのそれは禍々しいというレベルで、しかも本家戦車道では味わえない、他の相手から退却しているのを追い回すのが堪らなくいい! ってなってたので新しい性癖が植わったな、と思うには十分なものでした。一番味わわせてはならない味を覚えてしまった感が満載です。本家とのすり合わせ大丈夫なのかなあ。
さておき。
今回のダー様はわりと脇を固める感じで大きな仕事は一つしかありませんでした。

西住流に島田流に、連絡手段を持っているというこのお姉さま達は一体どういう類の人なのか、と思わずにはいられません。その筋ではかなり有名な方たち、というのは前から思ってましたが、西住、島田、両流派に直で繋がれる間柄、というと相当な気がします。
そのお姉さま達を引き込んだダー様の画策とは一体? 西住流家元もきっちりと今回登場していたので、ついでに島田流も絡んでくるのは間違いなさそうですが、さて、どういう? というかイレギュラーな鬼チームも、そこに関連してくるのか? 激しい戦いの脇で陰謀が巡る、その着地点とは?
とかなんとか。