感想 阿部かなり 『みゃーこせんせぇ』1巻


みゃーこせんせぇ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

大体の内容「王道的スラップスティック!」。とある中学の保健室には、ヒーラーのみゃーこせんせぇがいました。ということで始まる小バタバタ。それが『みゃーこせんせぇ』なのです。
基本的にこの漫画はきらら系であり、女の子わんさかコメディです。応用的にもそれです。ある意味できらら系バタバタコメディの王道を往く一作であり、それ以上のものはない。そう考えていた時期が俺にもありました。連載で読んでいて、まあ面白いじゃない。という立ち位置だったんですが、単行本化してまとめてみると、この素晴らしい漫画に祝福を! という気持ちが湧いてきました。
何故か。
それは、先にも書きました。あくまできらら系スラップスティックの王道を往く。まさに覇道を進む者! と思ったからです。どこかの峰が異常に切り立っているという感じではない、でも最低ラインが異常に高い。つまり面白さのアベレージが極めて高いのです。常に楽しい、というのが如何に偉大か、というのが、雑誌の段階で気づいていなかったのです。それを単行本化でまともに当たったら、崇敬する気分にもなろう! ということで、この漫画をガンガン推していきたいと思います。
さておき。
この漫画のどこが面白いか、というのはやはり女の子がバタバタするところですが、この部分に対して無意味なエロさは全くないっ! と思っていただこう! というか、エロ面が出たのがみゃーこせんせぇが飲んだ薬に副作用があって微エロいことを考えてしまう。という場面しかないのだ! あとどっかの馬鹿がちょっと全裸だったことはあったけど、無い! これはきららの漫画であるからある意味基本なんですが、ここまで徹底的にエロさが無いのは中々お目にかかれません。女の子わんさかコメディの何割かは微あるいは美エロを出すところにあるという一家言は誰しも持っていると思いますが、そこを全くしない、というのが逆に潔く、素晴らしさとして立ち上がっているのです。ハッピーバースデー! 素晴らしい!
さておき。
女の子がバタバタする為には個性の強い、もっと言えばアクの強い面子が必要ですが、この漫画ではみゃーこせんせぇがいきなりゲームっぽいヒーラー押しをするかと思ったら普通の姿でも行動していたりするという、二面性の極端なのを持っている段階でこの漫画は成功していると言えるでしょう。その後も骨格標本受肉して人に成ったり*1、怒涛の如く死んでしまう礁さんとかが出てきて、場をかき回します。個人的にはゲームオタなのを学校では隠している生徒会長烏崎翠子さんが大変好きです。おさげ眼鏡っ子だからな! それと、みゃーこせんせぇと同じゲームでクラン組んでるというので、ここでばれたら! ってなっていたり、結局ばれたりする辺りも好きです。ばれたのはみゃーこせんせぇが心を読めるようになる秘薬飲んでたからですが、そこを鑑みてもみゃーこせんせぇがやっぱり規格外過ぎて、それだけでこの漫画が成立する、という状況です。その上に女の子がバタバタするので、そりゃあもう。面白くない訳がないのです。
ということで、『みゃーこせんせぇ』はいいぞ。と某ルパンの有名な言葉を借りて、この項を閉じたいと思います。

*1:みゃーこせんせぇは天才なので骨格標本受肉する超秘薬が作れるのだ!