今から違いの分かるきららオタになる為の芳文社70周年セール!

この項について

 2020年7月にて芳文社70周年! ということらしく、7月10日から7月16日まで芳文社漫画が77円(税込み)なのです!
 ゆえに、この期に酸いも甘い知り尽くしたきららオタの面ニナルノデス!
 という訳で、これを読んでおけば一端のきらら漫画オタ面が可能なやつをいくつかピックアップ! とゾングナックルする感じでいってみましょう。
 ちなみに、その面が出来て何があるのか? というのは分かりません。それは、その人にしかない何かなのです。
 と煙に巻いてそれではいってみましょう。ああ、作者あいうえお順で行きますよー。

青田めい『うにうにうにうに』

 一部の人には『ふわっとまどか』の人として浸透した感のある青田めい先生のきらら系誌処女作。宇宙人(?)とその居候先の人々のごっつい言葉のデッドボール合戦が繰り広げられます。
 青田めい先生というと、ゆるい、がコンセンサスですが、処女作にはそのゆるさの全てが詰まっています。そしてゆるさだけではなく、尖り過ぎて逆に角度が大きくなっているというエッジ過ぎるボケも内包しており、わりと危険球なんですが、そこをゆるさで耐える。そういう漫画となっております。

アカコッコ『彼女がお兄ちゃんになったらしたい10のこと』

 シェアハウス先は、全員女性。なのに疑似家族めいたことが強いられて、という話。
 疑似家族、というのはよくありますが、いきなり女子高生が兄に任命される、という、そこ姉妹じゃないんだ!? 案件が大変インパクトに残る作品です。後、父役の人(警察官)が母役の人(小学生)とラブラブというので演じるとかそういうのじゃない、何かすごいヤバイアトモスフィアもあります。女系家族にしないがゆえに生まれるケミストリーが魅力的な一作です。

アサギユメ『サジちゃんの病み日記』

 好きなあの子にストーカー! という話。きらら系には愛が強くてストーカー、というタイプは頻出するのですが、その中でももっともヤバいストーカーが、主人公サジちゃんです。
 きらら系では、ストーカーめいていてもいつの間にか仲良くなってそれも収まる、偶にはそれが出るけど、というのが定型ですが、サジちゃんは全編通してガチのストーカーで、ガチのリストカッターでもあり、とにかく病んでいます。その病みを、癒すという方向にはいかない、という、その筋、病み物としては正統派でもありますが、ゆえにラストが切なくなる一作でもあります。

あfろ『月曜日の空飛ぶオレンジ。』

 現在、『ゆるキャン△』で一山当てたあfろ先生の、きらら系誌処女作。正確にはきららミラク産ですが、それはさておき、とにかく訳の分からない島である六日島の日々をヘンテコに繰り広げる一作。
 個人的にはヨシノがいるだけで最高の作品でしたが、とりあえずうん、よくわからん。というヘンテコなことの起きる島デイズ。時には信号機を5メートル間隔くらいに植えて人が困ったりしたり、山に行ったら謎電波で集まった人たちがうろついていたり、という、実際にその作品について書いているのにそんな話あるのか? みたいなとにかくヘンテコ。それが堪らない人には堪らないという、ある種麻薬めいた一作です。

阿部かなり『みゃーこせんせぇ』

 養護医みゃーこ先生は、ちょっと不思議なヒーラーやってます! というお話。
 ヒーラーの装いに秘薬を開発しているという、全体的にあれな23歳みゃーこ先生。そこに危険な奴らが集まってくる。という程危険ではないものの、類は友を呼ぶはけだし名言だという感じな中で繰り広げられるバタバタ漫画です。
 個人的には最終回の、え、それ可能なの!? なぶっ飛びぶりが大変印象に残っております。
 ある意味ではマッポーカリプス! でもある意味では桃源郷。そんな感じでさて人類はどうなるのか。というのを特に深い意味もなく実現したこの漫画、ヤバかったのでは?

有馬『はんどすたんど!』

 体操部、するよ! というお話。
 基本としては体操をしていきつつも、バタバタギャグを中心にこなす漫画です。きらら系にはある意味ではよくあるタイプですが、バタバタの具合が中々常軌を逸しており、それでいて体操の方に抜かり目はない。なのにそこもバタバタしていくぞ……! という意気込みがあり、総じてバタバタしている漫画となっております。ここまでバタバタしておいてちゃんと部活物として成り立つのか……! という目から鱗の一作です。

奥たまむし『ハートオブtheガール』

 今は別のところで百合漫画をもりもり描いている奥たまむし先生のきらら系誌処女作。ミラク産なので、同時期、というかミラクのほぼ全部にあったのですが、にタチ『桜Trick』があり、つまり百合は飽和状態ではないのか? という中で苦心された一作。その中で別の所のに繋がるからっとした明るい百合、という境地を得たのは、大変良きことにござる。

描く調子『広がる地図とホウキ星』

 現在Fuz連載されている描く調子先生のきらら系処女作。これもミラク産ですね。ミラクが店じまいすることになって割を食った一作で、2巻が電子書籍のみ、という形で幕を閉じました。
 内容は、魔法使い養成学校のお話、というよくあるものですが、その学校に向かうところから始まるので、成程、広がる地図、と思わせてくれる広がりを持っていた作品です。最終的に広がる地図がどこまでいくのか、というのは是非読んでいただきたい。そしてFuz連載の作品の方も推していただきたい。

器械『アキタランド・ゴシック』

 そこは、あきためく土地。ということで、アキタのような土地で行われる、角っ子の生活。それが『アキタランド・ゴシック』です。
 とにかく独特の読み味を誇る作品ですが、でも基本は角っ子アキタちゃんさんの生活に根差した、でもちょっとおかしい日々。
 そのおかしいがちょっとで済むのか? という疑問も偶に浮かびますが、でも最終的にはアキタちゃんさんの話だったな。という風に落ち着くのです。FPSについて熱く語るアキタちゃんさん最高です。となるのです。なろう。

険持ちよRPG不動産』

 RPGな世界で、不動産業、やっていきましょう! というお話。わりとガチで不動産業している漫画です。
 ここまで書いてきて連載中なやつがやっと出てきたぞ。ということで、現在連載中で2巻まで出ています。このセールでは1巻のみが対象です。
 内容としては不動産業ですが、それをある種謎解きとして描き、その上でその周りにいくつかの謎をちりばめつつ、日々が過ぎていく、という感じの漫画となっております。連載ではその謎が少し解けられた! 辺りなので、まだ全然追いかけられる範囲。RPGで不動産? と気になられましたらどうですか、お客さん。

鴻巣覚『やさしい新説死霊術』

 現在Fuzで『きららファンタジア』のコミカライズ担当となっている鴻巣覚先生の一作。
 鴻巣覚とはなんだ! というと脇とむっちりと百合! という返歌がくるものですが、その性質は既にこの漫画から完成形を為しています。というより、眼鏡先生のヤバめの百合具合が本当にヤバイので楽しかったです。涙掬って舐めてたとこ最高です。たつ。
 これも魔法学園ものですが、どちらかというといい具合に閉じた中で、という形で、これはこれで問題なく良い、と言えるものとなっております。そして脇とむっちり! もう最高ではないか。

ざら『しかくいシカク』

 写真部ですよ、おっかさん! ということで部活物に入りつつも、メイン三人娘の日々を鮮やかに切り取った、そんな一作。
 ざら先生というとオタネタぶっこむ性質を感じやすいですが、この漫画はそこは控えめ。その分を補うかのように普通にネタ度合いは強く、バタバタ系の一種として大変愉快な内容となっています。金髪ツインテは七難隠すって言いますもんね。と言ってしまうのは言い過ぎだろうか、いやない。
 ある意味、ざら先生の境地として大変いい仕上がりの一作です。

シュガー『さつきコンプレックス』

 俺のアニキが可愛すぎて女の子にしか見えない件について。という、一点のみで最後まで通しきった、ある意味漢な一作。
 本当に女の子にしか見えないし、周りも女の子で扱っているけど男だからな!? という部分はあるんですが、その弟も偶にアニキが女の子に見えてしまってもう駄目。お前がしっかりしないと俺たちどうすりゃいいんだよ!?
 ついでに父も女の子っぽく、遺伝! ってなる辺りの完成度が高過ぎます。どういう遺伝だ!
 そんな一発ネタの境地のような一作です。

スーパーまさら:うみのとも『私を球場に連れてって!』

 女子高生がプロ野球にハマったら、という話。
 おっさんのすることを女の子がしたらなんかエモじゃね? というタイプのスタンドで、これをおっさんがやっていたら角が本当に立つな……。というムーブが連打さる漫画となっています。
 そのプロ野球オタあるあるが過ぎて、この子たちは本当はおっさんなのでは……? と錯乱しますが、ちゃんとおっさん枠みたいにお母さんが年のいったプロ野球オタムーブするのでご安心ください。
 これもまだ連載中の一作です。今月3巻が出るよ! 勝手に宣伝!

鈴城芹『看板娘はさしおさえ』

 質草の行李に、幽霊が! という出だしからはさっぱり予想できない、結構ガチの質屋さんのお話。
 この漫画のおかげできらら系列を読むようになった、という個人的な記念碑作品です。基本的にアクション的な、というか妙なバタバタは少なく、台詞回しで押していくスタイルなのが大変に堪らなかったのです。
 この辺のいぶし銀なのは、ともすると地味とされやすいですが、この漫画は折々で幽霊っ子を恥ずかしめるムーブでそこにインパクトを与えてくれます。スキ。

そと『ラストピア』

 現在は『異世界はスマートフォンとともに』のコミカライズで名を成しているそと先生のきらら系誌二作目。
 とある島で、記憶をなくした主人公氏。どうやら他の人も記憶を失っている部分があるようで、ついでになんか幽霊もついてきて、という話。
 そと先生というと大変独特の空気感、ゆるいんだけどどこかきっちり締まっている、が想起されるのですが、その印象はこの作品で意識付けられた気がします。記憶喪失という重大事も、わりとなあなあで過ごしてしまえる、という。
 特段にバタバタする訳ではなく、でものっぺりとしているかというとそうではないと言える。そういうギリギリのラインのテンション、とでもいいましょうか。これが癖になるのです。

ちろり『お願い!ロイヤルニート

 このお嬢様たち、学校に行かない!? ということから始まるドタバタ。そういう話です。ミラク誌での連載で、しかも末期の作品だったため、完結をすることが出来なかった、という切ない経緯もあったり。
 基本的にちろり先生の描くボケは地味なところで破壊力が高く、それに対して内心はしつつも、ツッコミを明確にしない、腹黒ツッコミも絡まって、全体的にこの子たち大丈夫なのかしら? 関係成り立っているのかしら? となるとこが素晴らしい。素晴らしいのか? 素晴らしいのだ。

とめきち『すわっぷ⇔すわっぷ』

 キスしたら精神が入れ替わる!? というのを十重二十重とかましてくる一作。
 目立たない優等生と、目立つギャル系の精神が入れ替わる、というのでその部分のギャップ推しか? と思わせて、どちらも相応に変人だったのだ! どっちもこれは得だ、ってなってる! と、することによっていつの間にか入れ替わりが合法なのでは? という謎の気持ちにさせられるという、風変わりな作品でした。いつの間にか入れ替わりやってる人も増えたしね!
 4巻まで出た作品ですが、今回のセールでは1巻のみ77円なので、注意だ!

なじみ『しょうこセンセイ!』

 天才子供先生が、エントリーだ! ということで、べ……ってなりそうになる一作。
 しょうこちゃんさん先生は、子供ですがしっかり先生、という部分がベ…とは違うところ。ちゃんと先生として生徒と向き合い、考え、行動する、まさしく先生の鑑のような存在です。でもまだ子供なので、悩みも多い。でも周りがしっかり盛り立てていて、そこの人間関係の良さというのが如実だったりします。
 ベ…の方もそうでしたが、やっぱり周りの存在があって、というのが大変良い所だと思います。スタンドアローンではない、というのが逆に教育にいいのでは? まであります。読者層的に教育にいいってなんだ! ですが。
 現在2巻まで出てますが、このセールでは1巻だけなので注意だぞ!

ねこうめ『こはる日和』

 ぱれっとの方で活躍されているねこうめ先生の一作。ぱれっとの方もやりつつこっちもやっていた、というので辣腕! と言っていいかと思います。
 話としては女子高生物という、きららやたら伝わってるところ多い伝家の宝刀で、その中で飛び抜けて優れている、とまではいかないものの、それでもきっちり優は付けられる一作となっています。
 女子高生物は、人間関係だ! というので、様々な人間関係で成り立つ漫画という印象が強いです。特に黒ロン眼鏡妹さんが超好きでした。姉にやましいまではいかないけど、ちょっとクソデカ感情あるところとか、大変良いのです。

PAPA『ミソニノミコト』

 万物には神が宿っている。それは、サバの味噌煮にも! という感じの和風ファンタジーギャグ漫画。
 そのわりに、わりと世知辛い。メインパーソナリティ、サバノミソニノミコトも神様ですが、でもサバの味噌煮の神様なので、わりと大したことは出来ない。サバの味噌煮を上手く作れるとか。それでも神様だから、ほんのり不思議なことは起こせたりはして。というので神様わんさかボケボケのギャグ漫画として突き進んだ漫画です。
 PAPA先生は現在『マギカ☆レポート』でいい意味でも悪い意味でも有名ですが、そことも通底するボケ具合です。この漫画を一読すれば、ネタがなくても、いくよー! だけでなんとかしたあの回をしぼり出したのもうなずける、そんな作品です。

春雨『JKすぷらっしゅ!』

 JKをずっと水着のままでいさせるにはどうすればいいのか。その思考実験として有力な一冊です。
 学校が水辺、なんなら半分くらいせり出してるぜ! そして学校では水着が励行だぜ! という、お前は何を言っているんだ? とミルコ・クロコップ顔になる設定を鎮座させただけでこの漫画は勝っていたと思います。
 そしてJKと水着、それが合わさってタダで済むはずもなく、当然百合漫画としても立ち上がっていきます。丁度MAXといえば百合とすら言われていた時期の漫画でもあるのです。
 そんな属性てんこもり漫画ですが、百合の線は結構繊細というか、ベタベタなんだけど、でもなんかすげぇ! と感じ入ること間違いなしなのです。いやあ、百合っていいですね?

柊ゆたか『Good night! Angel』

 『新米姉妹のふたりごはん』の柊ゆたか先生の、きらら系誌処女作。これもミラクなんだ。ミラク初期勢なんだ。
 内容としては女子高生×殺し屋、というそれ食いあいはいいんですか? 女の子が地獄に落ちろ~~~!! とか言うんですか!? な感じがありますが、そこはちゃんときららナイズドされておりますので安心してください。地獄に落ちろ~~~~!! を想起する方があれなんです!
 そして、これは案外友達の話なんです。普通に女子高生している上での友達が欲しい! ってなっても、中々そうはいかないし、なんか自分を好き好きする人とパートナーに!? なんですが、それが徐々に変化していく、というのが大変良いものだったのです。だから、ラストがちょっと悲しかったりもするんですけど、それもいいんだ……。

ぽや野『ぽんこつヒーローアイリーン』

 おはようございマスクメロン。というのはさておき、ヒーローとしてポンコツだったアイリーンさんが、地球に来て路頭に迷う中で、徐々にやるべきこと知っていく、というと普通に聞こえるから困る。
 でも、最終的にはそういう話にまとまっていく、というよくよく考えなくても訳の分からない作品です。まとまった後からするとまとまってるんですが、連載中は終始これは何だ? だったのも記憶にあります。今考えてもよくまとまったよなあ……。
 そういう訳の分からないものにも当たっておくべきですよ? ←親切心ではない

気が付いたか? えらい量書いちまったってことに。

 ということで、これは押さえておくとベネ、というのを書き連ねたらこんなことになってしまいました。
 ここであげたのだけ買っても1万円いかないんだから、ちょっと頭おかしいセールですね……。俺はどれだけ買えばいいんだ……。
 ということで、この辺の漫画の名前がすっと出れば、にわかきららファンだとは思われないぞ! という項でした。にしても、何故『ねこにゆーり』とか『夜森の国のソラニ』とかが無いのだろう……。入れておいてくれなさい……。
 とかなんとか。