感想 TOもえ 『カノジョと秘密と恋もよう』1巻

カノジョと秘密と恋もよう: 1 (4コマKINGSぱれっとコミックス)
カノジョと秘密と恋もよう: 1 (4コマKINGSぱれっとコミックス)

 大体の内容「そのまま、永遠にいちゃついていてください……」。ぱっと見ギャル系斎藤リナさんと、ぱっと見陰キャ片桐心結さん。二人は、付き合っています。誇張でもなんでもなく。つまり百合! そんな二人のトキメキが詰め込まれているのが、『カノジョと秘密と恋もよう』なのです。
 二人には、実は超能力的なサムシングがあるんですが、どっちも使い方によっては強力なやつ、でありつつも、二人ともそれを基本的に要らねー、としています。更にお互いにその秘密があるのを黙っている、というのがこの漫画のエッセンスとして効いてくるんですが、そこは些事です。使うリスクが極度の筋肉痛程度なのもありますが、そこはやっぱり本筋じゃねえのです。
 どこが本筋か。それはリナさんと心結さんがもう、可愛いという一言に尽きるでしょう。
 常々、TOもえ先生の描くキャラは可愛いなあ! という立場だったりする私ですが、この『カノジョと秘密と恋もよう』でTOもえ先生の描く女の子は一つの極みに到着した、と言って差し支えありません。個人的には顎の稜線が一番好きですが、もうちょっと広くリーチするなら目のラインでしょうか。
 TOもえ先生の描くキャラは、全体的に目力が強い。それも、どういうタイプの目でも、なにか妙な色気というか、惹きつけられるものがある。それだけ、魅力的な目をしているのが、TOもえキャラと言えるのです。
 TOもえ先生が目に、瞳に対して結構センシティブなのは、この漫画だと心結さんの片目が大体前髪で隠れる、のにその髪が透過して瞳をちゃんと描いているという一点から、感じ取れることです。
 ほぼ前髪で隠れるのに、その全てで髪が透過処理で瞳が描かれますし、単行本の背表紙でも、やはり髪を上手く薄くして、目を、瞳をきっちりと描いています。目ガチ勢と言って、さほど問題がない。それくらいのこだわりです。
 で、この目がいいんだわ。比較的漫画目というべきところにありつつも、如何にもリアルにありそうな目の相貌。しっかり描き込まれている目。アイライン、眉毛、まつ毛、瞳。どのコマでも油断なくきっちりと描かれているそれに、もう釘付けですよ。
 まあまて。目に力を入れている漫画家さんはそりゃあ沢山いるでしょう。ですが、個人的に超好きなのがTOもえ先生なんです。漫画目としても瞳としても、という両立を狙わんが如き、気合の入れようにはやっぱり感服するし、それが元となってキャラクターの顔も好きになってしまいます。顔もいいんだわ。さっき書いたように顎の稜線がとてもいいんだわ。あそこに住みたいまである。(落ち着け)
 で、そんな目とか稜線の可愛い子が二人して付き合っているんですよ。目とか稜線の可愛い子が! 付き合っている! 当然、女の子と女の子! 心結さんはちょっとおしゃま系男の子って言われても信じちゃいそうだけど、でも女の子だ! 目とか稜線がいい子二人がカップルなんですよ? ブラボー! おお、ブラボー! と喝采を上げないと気が済みません。百合として上級なのに、更に俺の好きな目とか稜線の子たちが! 行進せよ! 果ての果てまで! って魔将軍・ヘクター顔です。
 やっていることも、他愛もないと言えばそれで済んでしまうことですが、それがいいんだ……。と今度はキッド・ホーラ顔です。地味に暴言を吐いているゲラバ・ゲラバにツッコミも忘れるくらい、そこがいいんだ……。ってなります。特に心結さんの誕生日が明日!? の回の、プレゼントを選んでいくリナさんのわたわたしてたのから、相手のことを想う形になっていくのが堪らなく、いい。
 本当に取るに足りないという言葉で済むことかもしれません。単なるプレゼントではあります。でも、取るに足りない、だからこそだろうがっ!! そういう心の機微をきっちり描いていくのがいいんじゃないですか! それも俺の好きな目と稜線の女の子が、俺の好きな目と稜線の女の子にプレゼントを買ってあげる! パーフェクトってこういうのだろ!
 と錯乱しかけていましたが、俺は、冷静だ(ぐるぐる目)。
 二人の清い付き合いもいい、けど1巻最後の話での、キスしたい、という熱に浮かされてやろうとしてしまうリナさんもまたいい。好きというのが、プラトニックだけでは収まらないという幅がある、というのが分かって超いい。欲情! なんと聞こえの良い言葉か。でも、やっぱり持ち得るものであるし、それが無いというのは嘘になり過ぎる。ちゃんとありますよ? というので百合っくす! まではいかなくても、それくらいは、キスくらいはやっぱりやってもらいたい。そういう心があるのは否定しきれないのです。(ここまで3秒で済ますくらいの早口で)
 いや、だって俺の好きな目と稜線の子たちがちゅっちゅする、って桃源郷でしょう!? 夢じゃ夢じゃ夢じゃ夢でござるー! って松方弘樹ボイスでリミックスされるくらいに、マジでドンピシャなんですよ!?
 まあ、ちゅっちゅしたところはカットされて、した、という事実のみが残るというのでしたが、その残響だけでも結構やられたので、本当にきっちりちゅっちゅしたら惑わずなんてかなぐり捨てて惑いまくりんぐになることは明白です。いつかみたいので、見せてください! 今見せてくれてもいい!←既に惑っている
 ということで、『カノジョと秘密と恋もよう』はどういう漫画か、さっぱりかもしれませんが、大体は女の子二人がカップルする話、超能力含み、程度の理解でいいと思います。TOもえ先生の瞳にやられたパーソンは間違いなく大丈夫なので、ぜひトライしてみてください! そうでもなくても、良い感じの百合なので、ぜひトライしてみてください!
 というか全人類トライしてみてください! と錯乱しつつエンド。