感想 眉毛 『純粋欲求系リビどる 1』

純粋欲求系リビどる (1) (まんがタイムKRコミックス)

純粋欲求系リビどる (1) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容「僕のリビドーが女の子に!」こう買うと大変な語弊があるので少しちゃんと話すと、ちょっとシャイながら欲望はちょっと濃い男の子、枕井リヒト君の前に突如現れた女の子三人組。実はその子達はリヒト君の持つ異常な欲望(リビドー)からリヒト君を守る為に現れたのです! という事で、女の子三人組に守られるリヒト君の明日はどっちだ! というお話。最初はリヒト君を襲うだけだったリビドーからの怪物も、徐々にその様相を変化させ、どんどんより変な状況になるようになってきておりますが、これがどういう意味を持つのか、は今の段階では謎のままであります。これに何か意味があるのか、あるいは全くの行き当たりばったりなのか、はまだ藪の中であります。行き当たりばったりでなければいいんですが。
 さておき。
 きららミラク誌という物が持つ基礎と言うのは様々な見方がありますが、『GnA』感想にも書きましたが再度書くと、個人的には「女の子が可愛いが最高!」、というのが基礎地にあると思っています。「どんな状況であろうと、女の子は可愛いんや!」、そういうパッションに満ちた漫画を目指しているのが、きらら各誌、中でもミラク誌ではないかと思われます。特に特異な状況下の漫画が多い辺り、色んな環境に女の子をぶっこむという手法を、ミラク誌の雑誌としてのカラーとして紡いでる感覚すらあります。 そんなミラク誌の前衛として張っていたのが今月の『GnA』と『リビどる』なわけですが、『GnA』がやややや現実寄り(女の子が暗殺者だけど)なのに対し、『リビどる』はよりファンタジーに寄りかかっています。その分、それに関わる女の子の不思議さも倍増しなわけで、それがキャラの魅力と相まってこの漫画の魅力として屹立している状態だったり。
 そう、キャラの魅力。それこそこの漫画の最重要ファクターです。メインで出てくる女の子達、リビどる達三人のキャラの立ち上がり方がまず素晴らしい。一話目から三人娘のキャラをまずジャブ程度ながらも、後に繋がるしっかりした通奏低音を持って描いている辺りが実際タツジン! といいたくなるレベルです。リクちゃんが食べ物が好きで若干以上にあけすけな部分があるのをジュース一口、というのだけで見せたり、ルコちゃんの優しげな雰囲気をその表情や手紙などできっちり表現し、レンちゃんの巨乳なのをその絵柄できっちり見せ付けたり、と書いていけばきりが無いですが、とにかくメインキャラだからキャラ立てはしっかりしないと! という意気込みが綺麗に決まった一話だったりします。その後もその通奏低音を維持しつつ、ドタバタしていくので、キャラに対する理解もきっちりと深まる辺りも素晴らしい。「漫画はキャラだよ、兄貴!」という言葉が自然と出ようものです。追加登場するキャラとしてロカちゃんもいますが、その話も途中加入なのに/だから、かなりしっかりとあり、三人娘と馴れ合わない理由とか、意外な好みとか、色々とあってぽっと出のキャラ、という感じにしていないのも好感触。キャラ性の面ではミラク誌一の出来な漫画であります。
 キャラ性の面でミラク誌一、と書きましたがもう一つミラク誌一の部分があります。
 そう、それはエロス! なにせ女の子達が布面積の小さい戦闘スーツでリビドーと戦う、という段で既にすごいエロスなわけですが、それが破れたりする場面もあったり、海仕様水着型では脱がされる場面もあったり、と、「とんでもないエロスだな!」という作中の言葉が自然に出てくる有様です。それが一番ブースト掛かってるのが単行本化に合わせて描き下ろされた、リヒト君に会う直前の三人娘の活躍を描く口絵カラー。布面積少ないのに、更に思いっきり破かれます。もうほとんど見えてますよねそれー!? というレベルにまで剥かれた三人娘の姿はエロスだったぜ。というか、いいのかこれは。これはいいのか。そんな気持ちにさせられますがいいですよもっとやれ!
 そんなわけで、ミラク誌の漫画がどういう物なのか、というのの試金石としては十分なポテンシャルのある漫画、と言えるかもしれない、そんなキャラ漫画が『純粋欲求系リビどる』なのです!