感想 『魔法少女まどか☆マギカ 4コマアンソロジーコミック』

魔法少女まどか☆マギカ 4コマアンソロジーコミック (1) (まんがタイムKRコミックス)

魔法少女まどか☆マギカ 4コマアンソロジーコミック (1) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容も何もアンソロジーだよ! 内容自体はまともな物が多いと思った? 残念! 皆弾けてました! という位におばか方向に強いアンソロジーになったかと思います。まさか前のアンソロのように真面目なのがあるかと思ったら、オールで真面目なそぶり見せなかったのでやや面食らいましたが、一発目の津留崎優『影のヒーロー』のかっ飛ばし具合で、OK、分かったよ! と覚悟完了したので楽しく読めました。皆が真面目な方向ではやられる! という理解をしていたと勝手に邪推も出来る、そんなアンソロジーなのが、この『魔法少女まどか☆マギカ 4コマアンソロジーコミック』なのです!
 大体皆チャカチャカする方向でしたが、その端緒が上記にもある津留崎優『影のヒーロー』。初っ端からほむらさんがまどかさんを守る影のヒーローとして、守っているような守っていないような見守っているような見守っていないような変な立ち位置をしていて、ああ、この子馬鹿なんだ…。というのを感じずにはいられない濃い内容となっております。とりあえず勢いだけというか勢い、それしかない! というパワー全開でお送りされて、このアンソロとはどういうものかと言うのを提示し、付いていけるかいけないかのジャッジをかます、そんな境界線上の作品でありました。
 他では、やはりほむらさんが厄い筋肉☆太郎『あなたと一緒に…』と謎のメタネタ的楽屋落ちであるGAN『まどか☆マギカサスペンス劇場-楽屋編』辺りが馬鹿方向で奮っていたと思います。
 前者はほむらさんがキュウべえの脅威をどうにかまどかさんに覚えさせよう、とした結果がキュウべえを被って(本当にキュウべえ本体被って)付きまといをするという内容で、筋肉☆太郎せんせ特有のパワー型ツッコミがそんなほむらさんに決まりまくるのが素晴らしい出来栄えです。兎にも角にもこんなの絶対おかしいよ! としか言いようが無いほむらさんの姿はお笑いだったぜ。
 後者は全員役者設定で、楽屋でおっちんでたマミさんについて皆で喧々諤々するだけの話ですが、とりあえずキュウべえがあの姿の役者という謎設定を誰も突っ込む事無く進んでいくのがシュール。その上、ソウルジェムも実際にあるという話となっており、どうなってんだこの世界! というツッコミが常に頭に励起して疲れましたよ…。勿論役者設定なのでキャラ崩壊が著しい所もおおお…。
 さておき。
 アンソロジーというと自分のペースをするか、破壊するか、という視点を持つ人がいらっしゃいますが、今回は破壊者タイプはほぼ4コマ一本しか与えられないという正しいけど間違っている編集スタイルとなっております。その為大変物足りないものがありましたが、そんな飢えを癒してくれるものも。それがFBC『魔法中年ホスト☆マギカ』。
 どういう内容かと言うと、キュウべえがめぐり合ったのがなんとやり手ホスト! という亜空の展開で、ホストの手練手管をキュウべえが教え込まれていく、という話でありました。ホスト視点でいくとまどかを攻めるのはオーバーワークになるから駄目とか、同じ境遇なら話しやすいから魔法中年になっとくとか、そういう話でまどマギが進んで行って、誰得! 誰得! と思ってしまいましたが、最後はなんか綺麗に話が結末に辿りついてええー!? となってしまいました。出来ておる喃…。
 後、自分ペースというと、てっけんとう『とあるほむらの時間軸』がてっけんとう味としか言いようが無い、見事な滋味を見せていました。ほむらの時間操作ネタを活用して、見事な時間停止コントをしていて、くすくす笑いが常時出来る仕上がりでした。マミさん、一体どうしたんですか!?
 そんなわけで、破壊者がいないからぶち狂った作品は無いものの、皆がチャカチャカしてて楽しいアンソロジーに成っていたと思います。シリアス面求めると肩透かしだがな!