感想 ストロマ 『ふぃっとねす 2』

ふぃっとねす 2 (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

ふぃっとねす 2 (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

大体の内容。「誠ちんは今日も運動する」。基本的に女の子が可愛くフィットネス! といいながら運動部分はザ・ぞんざいというか、話の最初の駆動系としてでそこから可愛いを発生出来る要素を抽出したら後はぽいよ!というか、そこはフレーバーでいいよな女の子が可愛いんだからよ、ああん? というストロマせんせの恫喝の瞳に心底ぶるってしまいます。←妄想含みすぎた間違った見方
 さておき。
 そんなフィットネス部分はスーパーの刺身の端レベルでザ・ぞんざいですが、女の子可愛いの部分と何この漫才部分は全くぞんざいではないのがこの漫画。女の子が可愛い顔してボケて突っ込む。やだ突っ込むなんてやらしいです! という感じはまるでなく、基本的にボケたらボケたでちゃんと突っ込みを入れられる素晴らしい漫才環境が整っている漫画となっております。基礎段階からして皆がボケの要素を持っているので、そうなると突っ込みは大変大変なわけですが、その辺は誠ちんと虎谷さんの二人できっちりフォローされているのであります。まあ、たまに拾いきれずにボケっぱなしの呈を成す事もありますが、それもまた女の子可愛いを助長するので、この漫画の深イ、コクダヨ!(CVフィリップ・トルシエ
 さておき。
 この漫画、この巻で終了の運びと相成ったわけですが、フィットネスクラブに絡む人間関係はそこに新たな一ページが加わる、という段で終了と言う珍しい形に。そんな展開だともっと続けたいんや! という意志が強い場合がほとんどなわけですが、しかしこの漫画はその辺が綺麗な落とし所としてマジ綺麗に使われていたのが印象的でした。新キャラを落とし所として使うって贅沢過ぎるだろ…。もとより長く続く予定の無かった漫画だそうなので、ゆえに落とし所は難しいと感じての苦肉の策とも思えますが、でもあれだけ綺麗に決まるとなんか漫画上手いんじゃないか、ストロマせんせ、と不遜な事を思ってしまいます。この巻のおまけページの使い方や『スターマイン』のキャラ配置と出番の巧みさとか見るに、マジ当世代の漫画家という枠の一隅を照らす漫画家の一人であるなあ、とか思いますよ。
 さておき。
 キャラ的な話をすると、最終回一歩手前で誠ちんが運動能力がマシになった、という辺りとキャラ紹介のバストと体重が\すげえ/辺りが微妙にかみ合っていて笑いました。そこ育ったのかよ、というか。誠ちんのバストって初期そんなにあるようには見えなかったのに、キャラ付けの一環なのか大きい設定になってしまっている辺りが特に。でも、大葉さんも同じバストサイズと上回る身長なのに体重は、って辺りも細かくツボに入ります。この辺の設定が緻密で特に利を得る漫画ではないんですが、でも出すからにはそこは手を抜かない、というストロマせんせのプロ意識を感じる一コマです。
 キャラの話を継続すると、一番好きなキャラ、と問われれば虎谷さんと言わざるを得ないです。覇王翔吼拳を使わざるを得ないレベルで。なんですか、百合ですか? という程度の仄かな百合テイストながら、基本親友ポジで誠ちんに絡みつつ、ボケに対して見事に突っ込みを入れる様はこの漫画のゴッドであらせられる。突っ込み要員が増えたがゆえに、誠ちんもボケ要素を思う存分使えるようになったのも、また虎谷さんの功績といえるのではないでしょうか。まあ、居ない時にでもボケてましたけど。そういう意味では他のキャラも突っ込み要員として機能する辺りがこの漫画の懐の深さ、当意即妙を感じたりもします。その辺のオールマイティさが匠の仕事といえるでしょう。これだけ上手いキャラ回しがそのまま地続きの『スターマイン』は、一体どう落ちつけるのかしら。