ネタバレ?感想 木々津克久 『フランケン・ふらん Frantic』8巻

フランケン・ふらん Frantic 8 (チャンピオンREDコミックス)
フランケン・ふらん Frantic 8 (チャンピオンREDコミックス)

 大体の内容「新たな地平、エロ&精神的グロ」。エロについては今までも表紙とか小さいとこでやってるとことか結局至らないとかありましたが、今回の巻ではとうとう精神的グロとエロが組み合わさって、得も言われぬ味わいをし出したのが、『フランケン・ふらん Frantic』8巻なのです。
 エロ&精神的グロとは。エロスとこの漫画特有の精神的グロを合わせることで、今までに見たことのない境地へと読者を辿り着かせるものです。
 先述の通り、エロ自体はこの漫画でも色々ありました。未満な場合が多かったんですが、今回もある意味では未満なんだけどある意味ではダイレクトエロ。その上で精神的グロを重ね合わせてくるのです。
 というか、今回は以前あった豚になった人が元の人間に戻れる、という話があるんですが、その人の意中の人で、豚の時に飼ってくれていたのがいるんですが、彼の性癖が歪んでしまって、人間の女の子が目の前にいるのに、その、そっちに行くか……。という方向に。あまりと言えばあまりの展開であるこの精神的グロさと、ダイレクトなのにダイレクトではないエロ、というのが合わさって、俺は何を見せられているんだ……。という内容となっています。
 豚の話の次の不死身の男の正体の話もイカレポンチ過ぎます。不死身の理由はいいとして、その状態で初手は赤ちゃんになる。のはいいんだけど精神は大人、なので、その食事シーンでは、ああ、そうなるか、となって俺は何を見せられているんだ……。って再度なるので、マジでどうなっているんだこの漫画……。ってなります。その不死身の男にちょっとホだったヴェロニカに対してお悔やみ申し上げます。ってなる状態です。不死身ですししんではないんですが、ある意味ヴェロニカの中ではしんでいるので……。
 という訳で、今までも精神的グロの極みという感じのこの漫画でしたが、そこに更なるメスが入る、といういかれた展開になりました。そしてまだこの漫画のいかれ部分に成長の余地がある、というのが提示されたわけでもあります。何だこの漫画。
 というか、エログロという言葉に新たな一ページを刻んできた、というのが刻んでよいのか? 危険ではないのか? というザヴァさん顔にもなります。何だこの漫画。
 さておき。
 今回はちょい久しぶりにセンチネル回があります。センチネルXが出るよ! ですが、まあ酷い話でした。センチネル回は大体酷い話、ふらん無印のセンチネル回最終回以外は大体無茶苦茶です。
 無印センチネル回最終回も、VⅢの立ち回りが酷かったからああなったという側面はありますが、なんか熱い展開にはなっていたのと、あれ以外が酷いので比較するといい話になっています。 
 さておき、Xの話。これはこういうヒーロー系のによくある、その姿を借りて悪事を働く、というやつです。どちらかというとYouTuber方面ですから、所謂私人逮捕系のヒーロー版です。
 で、怪人となった人達をがっつがっつ狩る、というのから、それされると俺たちが最終的に困るんだよ、もう戦ってないし。ということでセンチネル達と以前の敵対組織(現在は仕事を辞めている)が組んで、Xを罠にはめ、という話でした。
 ここでの手回しの良さというのが、VⅢが動いてたから、というのがあって、あいつ本当に機を見るに敏でそういうとこの目端の利き具合は信頼できるなあ、となりました。まあ、先述通り、無印のセンチネル最終回は過程の段階ではVⅢが悪いんですが、そこ含めて立ち回りが上手いんだよなあ、となりました。そしてこのX回のオチが酷くて、やっぱりセンチネル回はひどい話になるなあ、となりました。ヒーローに対する木々津克久先生の屈託が完全に出ている感じです。妄想ですが!
 さておき。
 地味に無印の最終巻8巻を越えた『フランケン・ふらん Frantic』。精神的グロにエロをかますことで更なる持ち味を生み出し、本当にどこまで行くんだこの漫画、という形になりました。エロをかますのが精神的グロを相乗効果を狙って、というので、くるってるね? ってなります。
 このいかれ漫画がどこまで巻数を重ねるのか。いや、無印からすると16巻なので十分。ですが、まだまだ巻を重ねて、そのうち秋田の赤い核実験場すら無理な世界に行ってもらいたいくらいです。この漫画が続くことで何が生まれるのか。期待したいです。
 とかなんとか。