シグルイ-HIME

武田といい感じになり、デュランが復活したなつき。 それを影で見ていた静留
静留「ようもやってくれましたなあ、武田将士!」

怒りに任せてデュランを叩き切る静留。 消えていく武田。 絶望の悲鳴をあげるなつき。
静留「ほんにかわいそうになあ、なつき。 うちが仕置きしたる。 こないな事をする羽目にしおった黒曜の君を仕置きしたる」
静留の言葉自体は冷静であったが、目の前の事態を引き起こしたのが自分である事を、明確に理解しているのだろうか?>

静留「神埼黎人、本日この場にて媛星の力を伝授いたします」
黎人「あ、ありがたき幸せ」
静留「そならまず、うちとの祝言をお見せした後に」
黎人「承知」
黎人(しかと見るがよい。 黒曜の君は私をおいて他にはないと!)
ズムッ
黎人「ぐふっ・・・静留さん、いったい何を」
ズン
静留「まだ姫は一人に決まっておまへん」
黎人「な、何を」
静留「次、舞衣はん」
スウ
<黎人ははじめて 鴇羽舞衣の憤怒の顔を見た>

静留「やめにしはりますか 黒曜の君となるのをやめにしはりますか」
黎人「会長」
黎人「この日のために 神埼黎人は猫をかぶってまいりました」
黎人(媛星の力を手に入れるのは、黒曜の君になるためになくてはならぬもの)
黎人(姫を貰い力を貰い、一番地の婆共を一掃 シアーズ財団をしゃぶり尽くし)
黎人(天下の黒曜の君となる!)
 
<野心である 野心がモルヒネのように激痛を麻痺させているのだ>

命「兄様」
黎人(命!)
黎人(まだだ 今宵は踏み台に過ぎない)
黎人(さらに昇るぞ己は どこまでも どこまでも)
 
ドォーン ドォーン

狂おしく 血のごとき 月はのぼれリ
秘めおきし なつき いずこぞや

静留「あの時、なつきの居場所教えたんはあんたや。 はかりおしたなあ はかってくれおしたなあ」

命「兄様! 戦って! 戦うのです!」
<黎人は意識を取り戻した>
<後方より命の叫び声 前方に憤怒の静留