感想 大石竜子 『ゆかのゆ』

ゆかのゆ (電撃コミックス EX)

ゆかのゆ (電撃コミックス EX)

 大体の内容。銭湯!
 見所。ゆかのゆの世にも奇妙なただの日常。
 このだらけ具合、イエスだね! と言ってしまっていいと思います。一応、帯に「きみをほっこりさせちゃうよ」という文章があるのでそういう方向で、またりとしたものかと思っていましたが、予想外に支離で滅裂な凡庸とは程遠い、ほっこりまたりと言えなくも無いけど、ちょっとずれがあるよね、という内容でした。はっちゃけてる……いや、カオスという言葉が一番しっくりきてると思います。つか、一話目の登場人物紹介的流れが、登場人物の多さでかなり初っ端から駄々崩れ、しかも意図的、になってしまう辺りからして、速攻テラカオスとしかいいようがないです。最終回近くになると太陽系の銭湯とか言い出したり、魔法でてきてマリモが告白しようとしたりとカオスに磨きが掛かってそのままフィニッシュ! 一体何がしたかったんだろう……。と呆然としてしまいました。基本一話完結とはいえ、「ストーリー? 一体なんの意味だよてめーーっ!!」と咆哮しだすんじゃないかってくらいに始まりから終わりまで唐突な感じがして、ああ、こういうのには堅牢なストーリーを求めるのは野暮天なんだな、と暗に理解するのでありました。そういうの大好きなので、このわしにうってつけーとばかりに楽しませてはいただきました。まあ、他人にはお勧めしづらいですが。
 キャラ的には猫さんの出番がもう少しあれば、あれば、あれば……。制服バージョンが素で出てくれば、くれば、くれば……。あ、つづらちゃんは可愛かったですね。素直になれない系の子でしたし。2話以降の出番ではあっという間に作品の持つ空気に持っていかれてしまいましたが。
 とかなんとか。