感想 あらゐけいいち 『日常 5』

日常 (5) (角川コミックス・エース)

日常 (5) (角川コミックス・エース)

 大体の内容。「ああー、日常」。今日も今日とてよく定まらないようで定まってるようで定まっているのだろうか、というノリのままで亜日常。ひたすら勢いの時もあれば、静かな勢いをみせる時もあり、あるいはのっぺりとしたノリのまま突き進んだりするのが『日常』の日常であります。今回もそんなかんじ。4コマスタイルやら、おおげさな絶叫描写やら、かわいい中村先生やら、バターロールの使いまわしやらもありますが、それでもいつもの、すっとんきょうさの出ている『日常』であります。
 さておき。
 好きな話は「束の間の……ユーモアだよ」などの台詞が、状況からするとどこか狂っているとしか言い様の無い、流しそうめんの話である「日常の75」と、勢いだけで突き進みすぎて何回か衝突事故してるようなノリで、ひたすらみおがキレ続ける「日常の81」。「日常の82」ののぺりとしたノリの中でピタゴラスイッチ的に神社が崩壊していく様も良かったし、「日常の86」のひたすら悶絶してるだけの内容の無いようも、楽しかったり。基本的にあらゐけいいちの高いテンションなのが自分のツボなんで、これらは特に笑わせていただきました。良い悪いで言うと悪いに分類されるノリですが、だがそれがいい
 にしても、麻衣ちゃんの麻衣ペースっぷりは巻を、いや回を重ねるごとにたちが悪くなっていて、それがまた笑いどころとしては良い出来になってきています。噛む犬放したり、みおの漫画描きの手伝いに来て、手伝いじゃなくて自分の描きたいものだけ描いて肝心な所であっさり帰ったりする辺りは本当に酷いけど面白い。周りが哀れだけども、面白いから仕方ない。面白いはジャスティスですねっ。