感想 鈴城芹 『家族ゲーム 6』

 大体の内容。あれもラブ、これもラブ、たぶんそれもラブ。というくらいにラブい話が多くなってまいりました。専門用語で言うとラブあてですね?
 ラブあて的な話を、特徴的だって理由でしていくと、やはりこの巻では真言が西浦の彼女に、という大トピックなんだけど、名義だけという超展開が酷くて全く西浦が幸せに見えません。この辺りの真言外道ロードはマジで酷いというか、「彼女にしてもらいたい事はなんですか?」って彼女って事になってる段階で言って、もしやそういう展開か、となって財布の確認までし始めて回答した西浦の気も知らないで「そうですか、ありがとうございます」で締める辺りは、母親であるゆきえさんすら霞む酷さで、正直これで彼女って事でいいのか西浦、とリアルタイムで読んでて思ったのを、また読んで再確認してしまいました。あれがなー。
 さておき。他の大トピックは二つ程あって、それは尚武とぴよちゃんが、とうとう真剣交際に! というのと紫杏の失恋です。
 尚武とぴよちゃんの両思いなんだけど、っていうのは既に5巻辺りから続いていた流れですが、バレンタインイベントでとうとうぴよちゃん告白! 一気に進むか大人だし! と思ったらこっからがまた牛歩。尚ぴよ、ともどもにへたれな為、ぴよちゃんが「襲ってみます?」ってモーションかけてるのにスルーとか、キス諸々のグッドタイミングである夕立イベントであまりの近さについ目を逸らしてしまったとか、あんたら大人でしょー! と言わざるを得ない。
 紫杏の失恋イベントは、ほぼ一話使われる特別的な待遇。さらっと済ますわけにはいかない、さらっと流してはいけない話なので、この待遇は良いものだったと思います。結構重い話であり、『家族ゲーム』では数少ない失恋を主にしたものだけに、余計と。それだけきっちりやってくれたおかげで、紫杏への感情移入というものが濃くなって、なんというんでしょうかお父さんお母さん感を与えてくれた、とかなんだかよく分からない感想が生まれてきました。なんだろうこれ。
 さておき。他、細かいネタではゆきえさんと征爾さんのラブラブっぷりがほんの少しでも駄々漏れしてきて困る、とか、乳井と阿南さんのラブい話とかも色々ありますが、やっぱり、昔、ほんの一コマしかでなかったことで自分的に有名なゆきえさんの担当さんが、名字付きでおまけで出てきたことでしょうっ! そういえば、この辺りで担当さん代わるという作内での話があったなー、とこれを見て思い出しました。それをまさかこんな形でフォローしてくるとは…。
 とりあえず、今の所原作ストックも溜まってるんだから、ここはどんどんと続き出していただきたい所です。このままだと真言が外道にしかみえないし、西浦がかわいそうにしか見えないですからね!