感想 鈴城芹 『家族ゲーム』11巻

 大体の内容「ラブ!ラブ!ラブ!」。元より家族でゲームという漫画であった『家族ゲーム』ですが、年を重ね、時を重ねる事によって、葵も真言も女性として成長し、好きな殿方と相思相愛を得るまでになりました。それでも、ゲームはうっちゃられる事はなく、今回も遊佐家と占野家でゲーム大会が開催され、やはり家族の間を取り持つものとして在り続けるというのを見せ付けられて、なんだかとっても、ありがてぇじゃねか……。とCV稲田徹で感じ入る。それが『家族ゲーム』11巻なのです。
 さておき、ラブです。葵も悟と、真言も良明と、随分としっぽりくれるようになってきたものです。葵と悟はまだ学生なので一線越えないんですが、別の意味の一線、変態性癖めいた部分は越えそうになってるのがツボです。お預けが長すぎたせいで、背中にキスとか足の甲にとか、悟が性の暗黒面に魅入られそうになってるのがなんとも。それでエロゲとかには興味が無いというのが更に恐ろしい。つまり、葵で変な事したいという訳なのですよ。葵も流石にまずいと理解して、色々解禁し始めてますが、間に合うのか!? と無駄に煽り立ててみます。
 対する真言と良明は、とうとう一線を越えました。やったか!? と問われたらイエス! と答えます。勿論事前事後の描写しかないんですが、それでも、とうとう結ばれたのだな、というので、やたら感慨深いです。だって、10年近く見続けてきた二人ですよ? 自分の子供じゃないけど、長年付き合った友人が、そのぞっこんの恋人と、とうとう致したって雰囲気です。そりゃ祝福しますよ。結婚には祝福が必要ですし。二度言いますが、とうとう結ばれたのだな。
 さておき。
 そっち面のラブは当然目が離せないですが、他のキャラの恋模様もそれなりに。正直に言ってしまいますと、占野兄弟はちょっとぽっと出感強過ぎてあんまり応援出来ないんですよね……。由寿も朱音も小さい頃から知っている訳で、それがここ二、三年で出てきた奴にあっさりいかれると言うのは、なんというか、しっくり来ないですよ。まあ、由寿も朱音もまだラブラブってる訳ではないので、それで満足するしか、ないじゃないか……。←突如の妥協満足
 とはいえ、サブで気になるカップルは当然います。というか、これもサブとしては息の長い紫杏と輝明ペアが、もうどうしようもなく気になる訳ですよ。あのまごまご紫杏が狂獣とかしているのは今まででも見せられていて、成長とは、悲しみとは……。と悲しみじゃねえだろうな事を考えさせられる前向きさになっているのは分かっていましたが、個室で採寸とかされたら! と、とうとう輝明君が押し倒す! というトンデモ展開になっても、至極冷静でむしろダバイ!(さあ!) ってやる辺りはもうどこまで昇る気なんだ、紫杏。その後で採寸して? とかナチュラルにかます辺り、悪女とかそういうレベルではない何かとなっておると言えましょう。このカップル、成立してるけど他のカップルより確実に危ういですな……。
 さておき。
 この巻でもう一つ、重大なトピックとしてあげる必要があるのは、そう、俺達の真園さんです! 新一年でもう一人目立つキャラの女川君も女装に力を入れるという謎な性癖ですが、真園さんは、その名前が示すようにマゾです。実際に殴られたりとかは嫌だけど、羞恥プレイとかならオールオッケー! という良く考えなくても謎の爆弾がこの漫画にぶち込まれました。初めて真園さんの性癖を知らされた時の俺の顔は確実に「!?」でしたが、慣れてくるとこの子何処に行くんだろう、という、永妙寺さんと同じタイプのスタンドとして立ち上がってきて、それはそれで気になるキャラとして記憶に残る事になりました。ボディラインも実際エロく、それが尚更、こんなに濃いサブキャラ出してこの漫画はこの先どうなるんだろうという疑問を投げかけてくる訳ですが、メインがしっかりしているから問題無い! という見方も可能でありまして、ゆえに野放図に出来るサブキャラである真園さんの今後の動向は要チェックですぞ!
 とかなんとか。