感想 えのきづ 『琴浦さん 1』

琴浦さん1 (マイクロマガジン☆コミックス)

琴浦さん1 (マイクロマガジン☆コミックス)

 大体の内容。「超能力少女の苦悩」。というのはダークな所の多い第一部だけで、続く第二部ではやや萌え4コマフォーマットに忠実に、超能力がある娘であるだけになっている印象です。主役の琴浦さん、第一部ではわりとピリ☆ピリしてたのに、安心して付き合える人達が出来た第二部からはだいぶ性格が安定してきております。出会いって大切、って事であるのは分かるんですが、にしても正直、第一部と第二部の雰囲気に差がありすぎだろ! 人刺されたりしてたのに! 真鍋君わりと黒かったのに! とか思わないでもないです。ずっと張り詰めると糸が切れるしかなくなるし、このまま萌え4コマフォーマットにのっとった話になっていっても嫌いではないですし、緊迫感があった第一部があってこその第二部の安心感でもあるのは分かってますが、だっても第一部が部分部分で重めだっただけに、たまにその味も、とかなんとか思ってみたり。しかし二巻ではまだ火種がありそうな雰囲気なので、その辺りに期待を賭けたい所であります。←勝手な言い分
 さておき。
 重めの第一部もいい、とは言ってもやっぱり第二部のゆるりとしたノリの方が好物な自分にとっては、気がついたらデートじゃんこれ! って焦る琴浦さんとか、たい焼きをもくもくと食う琴浦さんとか可愛くて仕方ない。これがあの、触れれば斬れる氷の刃みたいに尖ってた琴浦さんだと思うと、この変化に大変心打たれるものがあります。それくらい第一部琴浦さんはピリ☆ピリしてましたよ。そりゃあ、読心できて、それが普通に話してるのと同じように聞こえるってもので、そのおかげで家族離散とか霊のせいだとなったり、それ以外でも諸々あればこうもなろう、って閉ざしっぷりだったのが、普通に人付き合い出来るように、好きな人も、ってんだから心洗われようものであります。琴浦さん、良かったね、って言いたいくらいですよ。まあ、2巻目に火種があるっぽいので、そこをどう乗り越えるのかが今後の肝ですが、厳しくても乗り越えてくれると信じたいものです。真鍋ももうちょい馬鹿してないで頑張れよ!