感想 えのきづ 『琴浦さん』5巻

琴浦さん 5 (マイクロマガジン☆コミックス)

琴浦さん 5 (マイクロマガジン☆コミックス)

 大体の内容「出たよ、真鍋のライバルが!」。4巻の感想でなんか恋の進展しねえなあ! そんなのでいいのかおまんら! という呟きをしましたが、その反動なのかなんなのか、今回は二人の仲に波乱を巻き起こす人物が登場! さあ、ラブを強めるぞ! というえのきづせんせの豪快なお顔が目に浮かぶような展開となりました。とはいえ、一気にエロい展開に持っていくような漫画でもございません。体と体を、なんて夢のまた夢。夢幻の如くでありまして、なので進展はしてるように見えなくも無いものの、ライバルとの兼ね合いともあわせてみる限り、それほど進んでないように見えます。お互いのガチの気持ちを伝える、とまではいかないものの、ある程度互いの中で話す事をしたのは進展ですが、ガチでラブラブキャッキャウフフ、とまでは行ってないんですよね。そうは言っても、十分にイチャコラしてるっちゃしているわけですけれども。「す、す、す」とか上手く好きって言えない! みたいな事してたり、プールでイチャイチャしてみたりしてましたしね。でも、まだガチ度が足りない気がします。もっと好きって出来るだろ! つづく、の所の述懐とか見ると、もっとぐっちゃぐちゃのイチャコラ出来る素養はありそうですからね。もう、お前ら結婚しろよ! というレベルまで行って欲しいものです。
 さておき。
 ライバルである三辻さんは、しかしその登場の仕方から既に金持ちでゲス系と琴浦さんに理解されているという、ライバルキャラとしては亜空のステージからのスタートとなりました。ボンボンだから人擦れはしてるけど案外裏表がないという人物評を琴浦さんがしていますが、しかし出会いの次にした事が強引にデートに連れ込もうという行動だったので、読者側としては大変に変な印象が付いてしまっております。気持ち自体は略奪愛する気という分かりやすさなので、ゲスいんだけど案外するっと見れる人物ではあるか、とか思ったり。琴浦パパのような全力全開の駄目人間を見た後だと、むしろ爽やか系に見えるから不思議です。というか、どんだけ人間的にゲスなんだよ琴浦パパ。今回もパーティーで人の心を読んでくれ、来ないと絢香が一人で寂しいだろうなあ、とかやってましたからね、琴浦パパ。マジ最低の人として、清清しい位に軽蔑出来ます。
 さておき。
 そんな訳で三辻さんサイドの話がちまりちまりと出るようになったわけですが、そのお付のメイド(家政婦と言うと怒る)、木本さんが意外とキャラが屹立しております。基本ゲス方向の三辻さんに、的確なようで適当なアドバイスを、あるいはマジ的確なアドバイスをする木本さん。たまに名台詞ですよね、とか言って名台詞を言うのもいい。なんか美人設定のようで口説かれてる場面もあったりするし、なんだか三辻さんより存在感のあるお人かもしれません。というか、三辻さんなんていらなかったんや! とまで言うと言い過ぎですが、それくらいには木本さんの存在は大きいのです。当たりキャラやないか!
 さておき。
 大きいというと、勿論御舟先輩ですが、今回はカラー部分で室戸先輩にラブい事したいとしていた小学時代が描写されたり、絢香ちゃんにライバル心的な物が生まれて勢いゲームを買いに行ってみたり、プールで水着見せ付けたいしてたらこぶ付きと間違われたりと、とスポットが当たる度になんだか不憫だったりしたんですが、それ以上に栄えていたのは幕間のちびふねさん。唐突に二本だけあったショートネタでしたが、ちいさい系御舟先輩は妙な可愛らしさでした。室戸先輩が元のままで、ツッコミ役としてましたが、室戸先輩よりちいさいちびふねさん、というのでなんか頭が混乱したりも。そもそもこのショートネタは何がしたいのか、という変な事まで考えてしまいましたよ。いや、単なるおまけだろ、って気付くまでの時間が勿体無かったですね……。
 とかなんとか。