感想 秀河憲伸 『今日のユイコさん 1』

今日のユイコさん(1) (アフタヌーンKC)

今日のユイコさん(1) (アフタヌーンKC)

 大体の内容。「ユイコサンハ! カワイイデスヨ!」。これが…、リア充爆発しろというものか…。そんな理解を簡単に出来るようになる。それが『今日のユイコさん』なのです! というと良く分からないのでもうちょっと書きますと、ユイコさんとトモヤ君はお付き合いしだした、一応のカップル。でも、ユイコさんはちょっと所じゃなくお堅い感じで、ちょっとした事でもつんけんしてしまうのでした。つまり、そういう話です。ツンデレという言葉が、我々の切り札。基本そういう話です。
 そういう話です、で終わらす程度でありますか? という問いには、ユイコサンハ! カワイイデスヨ! と笑顔でサムズアップ! ユイコさん、お堅い過ぎてツンデレと言うか単に面倒なだけなんですが、そこに対してその態度ゆえにトモヤ君が距離感分からず四苦八苦しつつ色々行動すると、ユイコさんがつんけんしてたと思ったら突如あわあわしだしたり、という突飛な所が可愛いわけですよ。好きな男の子についつい甘えたくなるけど、それじゃあ示しが付かない! でも、好き! という思考してるのかどうかは、ユイコさんの内面に突撃しないで行動面だけで見せる漫画なので分かりませんが、でも、ユイコさんのある意味の分かりやすさからすると、でも、好き! ってなってるんだろうなあ、とか思ってしまいます。それゆえに、素直になれないお堅いユイコさんが、でも、好き! で、ふっと可愛く見える瞬間があるのが堪らない訳ですよ。あーもう、ユイコさん可愛いなあ! おっぱいも大きいし!←結局そこ
 さておき。
 そんなユイコさんがつんつんあわあわするのがこの漫画のベースですが、それゆえにあっさり泡粟が無くなるとつまらないので、トモヤとの仲はじんわりと進展しているような、していないような関係性で進むのが素晴らしいわけですよ。ここで一気に仲が良くなって明確にイチャコラするようでは駄目だな! という何様調が出るくらい、そのペースはゆっくり。というか、進んでるのコレ? と言えるレベル。でも、ユイコさんがちょっと勇気を出したり、トモヤの奴がちょっと勇気を出したり、で進む仲というのはふつくしい……。と、どっかの社長が嫁出した時みたいな台詞が自然と漏れる物があります。写真を撮るだけでユイコさん可愛いです!とかトモヤが力説したりする辺りがこの漫画らしさ。そしてこの巻最後のアイスの間接キスが失敗! と思ったら飲み物で間接キスいただきましたー! を思わせる展開で終わっている辺りが、もうね、ユイコさんがトモヤが間接キス意識してるって分かってるのにしてくれるってわけで、もう可愛い過ぎるというか。ワオオーー!ユイコさんワオオーー!!←謎の猛り
 この漫画でいい所は、先にも書きましたが内面描写がほぼユイコさんの行動のみに寄っている所。ゆえに想像に寄ってその気持ちを推し量るスキルが求められますが、それが出来ると異常にニヨニヨ出来るわけです。漫画視聴者のスキルもアフタヌーン掲載ゆえに高いレベルでまとまっている、という読みすら感じます。そういう意味、読者のスキルを信じているという意味では今の時代の漫画という感じですね。
 さておき。
 なんか、こういう微妙に進んでるような違うようないやでも進んでるよ、みたいな漫画はやっぱりいいですね。『ラブロマ』とか『放課後プレイ』とか『ヒメとトノ』とか、好きゆえに距離感がちょっと普通と違う感じの漫画って言うのは、やはり自分の好みなんだろうなあ、と、自分の好みを理解しつつ、この項を閉じたいと思います。