感想 シバユウスケ 『チェルシー 2』

チェルシー (2) (まんがタイムKRコミックス)

チェルシー (2) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容。「やっぱり、お笑いするよ!」。最終巻ってどういうことなの…。と戦慄せざるを得ないのは皆様と同じでしょうか。どうでしょうか。そんな問いかけをしたくなるほど突如の終わり、ということはなく、お笑い系事務所のオーディションを受けるという形で一応のケリをつける格好となりました。学生人生においてお笑いを存分に出来る局面、っていうと文化祭以外には意外と存在しない、けど萌え4コマテンプレートである女子高生でやっている、という構造的な欠陥があった事にわりとこの巻で終了という身をもって指摘されるまで気がつかなかったですが、それでも出来る局面を上手く使ってきた印象です。でも、やっぱりそれ以上は難しいよねー。というのが今回の2巻目での終了に繋がったのだろうか、とかなんとか外野として思ってしまいました。まさか芸能界入りして以降、とかは難しいよね……。学生である、っていうのがこういう萌え4コマの基礎なわけだし。そういう学生時代を大事したい、って意志も事務所ライブの時の最後の方で感じられたし。
 さておき。
 基本的に萌え4コマにはそれぞれテーマ性みたいなもの、大体の場合“楽しい”が通奏低音としてあるものですが、『チェルシー』の場合もそれは例外ではありません。事務所ライブにて自分達が楽しいと思う日常の学生生活を演じると言うことになるわけですが、それが他人にも楽しいって伝わるというなんだか心温まるものがありました。伝えるって難しいものだけど、こうやって伝わったってのを見ると、なんだかとっても、ありがてえじゃねえか……。
 さておき。
 個人的には事務所ライブ最初のマネキンのネタは最後まで見てみたかったです。たぶんあの出オチが最高だった可能性が高いんですが、それでも動かないという部分をどういう風に使っていったか、ってのはちょっと興味がありますよ。いいネタだったんだろうなあ。もうちょっとと言うと、西川さんをもうちょっと見たかったところです。カラー描き下ろし部分で意外にスポーツも出来るというパーフェクト超人ぶりを発揮してくれた西川さん。もうちょっと出番があれば、となんか一巻の時も思った事を再度思ってしまいました。一巻の時よりは確実に出番が多かったんですけれども。特に最後の方でチェルシーのライブを見て、楽しいが伝わった事を語る部分はこの巻の真のハイライトで、伝わるっていいなあ、って思わされます。そして、そんな事を言ってしまう西川さんは作者に選ばれた存在だったんだな、とか思わなくもありませんけれども、でももうちょっと出番をですね!