感想 越智善彦 『マリーとエリーのアトリエ Second Season 4』

 大体の内容。「ゆるやかに進む世界」。基本的に派手な事が起きるのを期待する漫画ではないので、このゆるやか*1ながらも変わっていく世界というものが楽しめないといまいちなのかもなあ、とは思うんですが、そういうの大丈夫なもんで、大変楽しく読ませていただきました。ゲームのアイテムやらキャラやらの下敷きをきっちりと活用しつつ、それをどう派生させるかというのが基本なので、やはりゲーム知ってると感慨深いですが、そうでなくてもゆるやか*2ノリがハマれば、キャラやらアイテムやらをゲーム知ってる前提で出すというのが無い滋味に溢れた漫画であるので、なかなか楽しめるのではないか、と思うんだけど流石に知ってる補正入ってるよなあ。
 さておき。
 もう既にアーランドの錬金術師シリーズが三作目に達するというのに、こちらの漫画はそんな事など露ほども感じさせずにザールブルクの錬金術師世界を、ゲーム以後をじっくりと描くという姿勢は感心するというか。キャラの動きも、ゲームの延長線上からどう発達していくか、という思考実験の趣きすらありますが、それが無理なくはまってるんだから素晴らしい。全体的に発明家の話を見ているような、ひらめきと努力、創意と工夫の絡まりあいなんですが、それがファンタジー世界ベースだというのに実に見事にはまっていて、それが読み手側の推進力として動き、特に激しい事が起こらない世界を見せてくれる、と言う離れ業。このゆるやか*3さ、やっぱりいいわあ。日常描写ってホント大変難しいものだけど、ゆえにそれを描ける人は貴重ですよ! とか何とか思う。
 最後にキャラ的な話を簡単にすると、イングリド先生眼鏡っ子になってる! あれ、前からだっけ? 前もこんな猛ったっけ? でもいいや、やっぱり妙齢の女性の眼鏡っ子姿っていいですな!

*1:ノーゆるい。これ重要。

*2:ノーゆるい。これ重要。

*3:ノーゆるい。これ重要。