今月のまんがタイムきららチェックポイント

先に総評

 今号のトピックは勢揃いによって安定感が倍増した前衛部隊と、中盤の雄の相次ぐ離脱でしょうか。
 前衛部隊は今回の最前衛が『けいおん!』という事もあり、一昨年の所謂黄金期の誌面の安定感を彷彿とさせるものがありました。安心して見られる前衛であると思います。ただ、その時、黄金期と何が変わったのか、という点では、ざら漫画が『しかくいシカク』に変わった事と、『チェリーブロッサム!』がいる事くらいで、意外とその頃と変わってないのがやや気になる所です。それだけ前衛は安定度、人気ともに高いものが揃っているという証左ではありますが、それでも中衛までは昇ってくるけれど、前衛に上り詰める漫画、というのが少ないのが、今のきらら誌の力という物を垣間見せている。そんな気がします。そんな中でしっかり前衛後詰めをしている『チェリーブロッサム!』には期待したいものです。ええ、単に好きなだけです。
 もう一つのトピックは、中衛や後衛を無難にこなしていた『ニアイコール』の終了と、前衛、中盤、後衛と渡り歩いた『ましゅまろ×タイフーンッ』の次回終了でしょうか。ある意味オールマイティな活躍を見せたこの二つの漫画の終了、というのは『うぃずりず』が終わった時のように、また『けいおん!』が終わった時のように、一つ時代が動いた、変わった、そう感覚を我々に与えてくれます。というか『ましゅまろ』次回で終わりとかどういう了見だよてめーっ!(突如の逆切れ)
 さておき。
 『ニアイコール』の最終回はいい店じまいで感心しきりでした。そういう設定だった、というのをすっかり忘れていたのもありますが、それ以上に登場人物の身のふりがちゃんと設えられていた、というのが好印象の要因でしょう。無闇に風呂敷広げすぎなかったから出来た、という側面もありますが、それでも最後を自分の掌の内に納められた、というのは良い終わりだったのではないかと思います。妹系の子が流石に不憫だった以外は。あんなのが再びなのに自分は、って不憫ですわぁ。
 そんなわけで中衛がますます『うちのざしきわらしが』と『少女公団アパートメント』に頼る形になりそうな気配ですが、ここに嬉しい新メンバー。『箱入りドロップス』が駆け上がってまいりました。基本的に素朴な味わいな漫画ですが、それゆえの安定感と地味さ爆発が逆に中衛には不足気味なので、その分を補ってくれる事を期待したいと思います。

個別チェック三連弾

  • 『しかくいシカク』
    • 部室で起きた謎に立ち向かう十子達三人の前に、新たな敵が立ちふさがる! という程の事は無く、適度に謎を解明していく先に新キャラ加入フラグが立った、と言うお話。十子達が癖が強すぎない分、今回の新キャラたる先輩は真面目ながらちょっと問題児な人。この辺のバランス感覚はさすがざら先生ですな! でも、一番はやっぱり先生です。←なんの一番?
  • 『くれいじーラボラトリー』
    • とりあえずマキシマさんが可愛らしすぎる点のが、この漫画の最大の特徴だと勝手に思っていますが卿らはどうか。連続ゲストは2話目から豹変する、と言われて久しいきららのゲストですが、比較的振れ幅が安定しているので、意外と安心して見れた気がします。
  • うさかめコンボ!』
    • 珍しくさっちんとメグだけ話が進む、無人島DAYS。ってもまだ一日目ですが、なかなかサバイバーな展開になりそうな引きでありました。そして新たに構築されるさっちん×メグという公式。いい話なのについ掛け算を妄想してしまうのは、基本的にうさかめが掛け算なのが公式だからです。罪な漫画ですね?

今月のワンワード

 『かみさまのいうとおり!』から。

…悪事…

 こんなほのぼのする悪事があるとは…。という感じのタイミングでの台詞でした。この漫画も終わりに向かってるのは理解できるけど、でもやっぱりまだ、もう少し見てたいなあ。