感想 逢空万太 『這いよれ!ニャル子さん 2』

這いよれ! ニャル子さん 2 (GA文庫)

這いよれ! ニャル子さん 2 (GA文庫)

 内容を要約すると「家族が増えるよ! やったね真尋さん!」。そんなわけで、今回のニャル子さんは家族と言うか居候と言うか付帯物と言うか邪魔者と言うか厄介者と言うか可燃ごみと言うかが、八坂家に参上する話です。前回もそんな感じですが、今回増加するのは前回で敵対していたクー子。昨日の敵は今日の友という言葉もありますが、そんな感じでやってきたわけではない辺りがやってくれます。単にニャル子と同棲したい、同衾したい、合体したい、という欲得ずくなくせに、ちゃんと背後関係はきっちりとしての登場だから始末が悪いと言うか。てか、前回セーフハウス焼いちゃった人(アニメではこの辺りカットされてた)をなんのお咎めもなく組織に入れるって銀河の世界はどうなってるんだ! まあ、それだけの実力があるという事での起用なのかもしれないし、だから辺境にいきなりぶっこむと言う処遇だったのかもしれませんが。いやでも、本当にいいのかなあ、この配置…。
 さておき。
 そんなわけで登場のクー子。前回の段階で大体のキャラ付け、ニャル子好き好き大好き襲いたい、というのが終わっていると言う便利極まりない状況での登場でしたが、それゆえに出来る事をぱぱっとやっておきましょうかねえ! と言う万太せんせの豪腕が唸り、そうか、こいつ、馬鹿なんだ…。というのを今回だけで十二分に見せ付けてくれました。ニャル子好きゆえにニャル子の抑制力の一端にもなる、けどその時は大体暴走してる、ある意味一番エロいと言う辺りも馬鹿なんだなあ、という理解を促進してくれます。このシリーズ、真尋さん以外大体どっかネジ外れてますが、中でもネジが溶け落ちてほとんど残ってないのがクー子、って感じですね。ニャル子はネジ全部自前でぶっこ抜いてる感じ。どっちもどうにもならんなあ、って、そう思うと理解出来ます。キャラ性! なんと聞こえのよい言葉か――!
 というか、キャラ性が今回も高まっていた、という印象が強いシリーズであります。基本的にキャラ一点突破で話?そんなことはどうでもいいー! してるって思ってますが、実際キャラが強ければどうとでもなるのよ! というのをニャル子やらクー子のキャラ押しでやりきっているわけで、そこは素直にタツジン! って言えますよね。キャラさえ見せれればそれでよかろうなのだ! という割り切り、嫌いじゃないぜ。
 さておき。
 そのやけっぱちストーリーは既にいつも通りという言葉が成立しそうなくらいぐだって終わりましたよね。今回のボスの倒し方とか酷いという言葉では言い表せない酷さ、ここ引っ張らなくてもいいよなあ! 単なる通過点だし! という言葉が万太せんせから漏れていたのではないかと言うくらいにスゴイ級やっつけぶっ倒されであり、以後ちょくちょくネタとして出るニャル子兄の不遇を感じずにはいられないものがありました。ネタっても兄ジャナイヨ? ネタですから、もっと不遇。このシリーズで敵対者になった時点で酷い目に遭うのは確定的に明らかではありますが…。
 とかなんとか。