感想 ika 『メガドラ部長りるなちゃん』

メガドラ部長りるなちゃん (ファミ通クリアコミックス)

メガドラ部長りるなちゃん (ファミ通クリアコミックス)

 大体の内容。「ika、その15年の集大成!」単にずろずろと描いてたら15年分になったとか言うなッ! そんな有無を言わさない雰囲気のある漫画、それが『メガドラ部長りるなちゃん』菜のですと言うとちょっと誤解があるか。もうちょっとちゃんと言うと、ikaさん謹製、偽ロリ漫画だよ! でどうか。←どうかじゃありません
 本当の所は、ある大学のマイコン研の部長、りるなさんが特に目的も無くぐだぐだするだけの漫画です。過度な期待はしないでください。というと大体終わります。波乱も何もなく、ただただ日々を過ごすりるなさん一派。それがたまらない人にはたまらないわけですよ。これぞika味! と唸れるものです。そのika味の、特にぐだぐだというのは、その筋の人には最高なのは周知の通りですが、そのグダグダの位相というのの変化というのが、15年分の積み重ねによって露にされている感じが大変楽しいのです。初期は90年代同人誌! という雰囲気が凄まじい作風なのですが、それが徐々に徐々に現在に近づいていき、2004年分から完全に今のノリと絵柄になっていたりするのが分かったり。あまりに完全に今と同じタイプのスタンドとして立ち上がってきているので、その年になにかのパラダイムシフトがあったんじゃねえかレベルであります。そこから、姫子漫画とかすりーさんとかへと繋がっている、と思うと、妙に感慨深い気分にもなったりもします。そういう、人の歴史を垣間見る事が出来るというのは、中々レアな体験であるなあ、とか。
 さておき。
 内容的には自分の趣味が後期のikaさんに向いているらしく、マインクラフトネタが大変良かったです。ゲームにずぶ嵌りするタイプの女の人ってステキですよね……。ロリ属性ないので実はりるなさんはアウトオブ眼中ですけど、現実世界を整地したいという欲求に駆られるりるなさんはお笑いだったぜ。
 さておき。
 基本的に、同人版と内容に違いがあまりないので、同人版を持っているというクラスタには訴求力が低いものもあったり。一応、描き下ろしなどがあったり、下に解説があったりと、同人版とは違う部分もありますが、ほぼ内容が一緒なので、ほとんどファンアイテムになっている点がちょっと切ない。もっと切ないのは、同人版が完全に下位互換になっているせいでそれ以上のファンアイテムになってしまっている所ですが。どうして、もっと早くこれが出なかったんだ…。と思わずには居られないインシデントであります。まあ、自分は普通のオタ道が同人版とか出たら買う程度にはファンなので問題なかったですが! ひょおおおおお! ikaさんに課金出来るうううう! ってテンションで買いましたし。