感想 浜田よしかづ 『つぐもも』10巻

つぐもも(10) (アクションコミックス(コミックハイ!))

　大体の内容「敵対組織の憂鬱」。ちょっと前からちらちらと出てはいた、かずや達と敵対するような組織、その正体が判明する巻となりました。その実態は中々複雑怪奇。そして悲運。敵対組織がある意味理想郷として存在するがゆえに、かずや達とガチ抗争すると思うと既に胸が痛いんですが、これを上手く平定出来る形があれば、それがいいんだけど、そうは問屋が卸さないだろうし、どうなってしまうのか。そんな行く末を、突如の格ゲー編で更にもやっとさせたのが、『つぐもも』10巻なのです！
　前半の、敵対組織のあらましは本当に、どうにかならぬか。という事案でありまして、この辺は神の裁量に限界がある文化圏ゆえの問題とはいえ、そのやり方では長い間は持たないのは明白。その辺は敵対組織側も薄々承知しているとは思うですが、それでもだからって止めれるかよ！　と言われるとむむむ……、となる話であります。かずやと桐葉さんのコンビみたいな仲、というのはそりゃ生半にはならないからこそ凄いんでありますし、それを拡張する方向は厳しいと言わざるを得ない。でも、理想ではある。それをどうするか、と言う話に今後なっていくんだろうなあ、とは思いますが、果たして綺麗にそこを決着出来るや否や。それと、謎の黒い帯の付喪神らしき存在も不穏。存在としてかなり異端っぺれし、一体何者なのだろうか…。でも、かずやにぽっとかしてたし、案外ちょろいのか？　あるいは、かずや母との関連性とかも視野に入ってくるのか？　敵対組織の謎が解けたと折ったら謎が深まるという…。本当に、どうなっちまうんだ。
　さておき。
　後半は、格ゲー筐体のあまそぎという、どういう理屈で！？　というものの中で格ゲー的に戦う話となりました。前半が重苦しい雰囲気だったのを吹き飛ばしつつ、でも、これで更に敵対組織との仲が難しくなってもいて、本当にどう決着するのか楽しみで仕方ない状態に陥りました。相手の事を知っちゃうと余計に難しくなるし、黒帯も行動が謎いし、と難題が山積している形に。
　そんな展開ですが、格ゲー部分は中々楽しかったですね。大将戦のかずやVSヒロキ戦は、オールマイティとは、という事に対する回答という感じです。敵大将ヒロキのオールマイティは常に相手に有利な属性に変化するものなわけですが、それに対するかずやは同一能力でも使い方で状況を切り抜ける、という創意の闊達さによるオールマイティ。それによって相手を上回る力を見せるというのは、中々見応えがありました。後、ヒロキゲージ吐き過ぎてここぞで決められなかったのがやっぱり痛かったんだな、という見方も可能。大技用のゲージが残っていたら一気に決められたのに、属性変化でゲージ吐いちゃったからなあ。そこも、基本的な技で状況を変えられたかずや側が凄いんですけれども。
　さておき。
　『つぐもも』と言えば？　という問いに対して大多数の方の同意が得られる意見は、「マッパ！」であろうかと思いますが、今回は連載部分ではそれほど脱ぎません。半裸が限界です。それを聞いて、すわ！浜かづ屋の見に一体何が！？　と慄いた方も多いかと思いますが、大丈夫！　浜田よしかづの漫画だよ！　という事なのか、単にシリアスし過ぎてリミッターが解除されてしまったのか。とにかく、おまけ漫画部分でマッパはちゃんとあります！　というか、おっぱいもみもみもちゅうちゅうもしたりします。それも女対女なので、ある意味合法！　ある意味非合法！　な映像が開陳されております。というか、何このエロス空間。これが普通売り漫画で許されるの！？　という罪悪感すら感じます。でも、売られてるんだから大丈夫だ。そんな納得を得てしまうのでした。あとがきで、敵対組織の女性全員剥きたい発言も飛び出し、やはりマッパにしないと精神の均衡が保てないんだなあ、と理解する有様でありました。ご馳走様！