感想 浜田よしかづ 『つぐもも』17巻


浜田よしかづ つぐもも : 17
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

 大体の内容「過去の忌まわしい記憶。しかし、乗り越えるか、かずや!」。ということで、過去編は今回で終了となります。奏歌さんとかずやの因縁が、今後どう決着するかへの示唆もあるようで、しかしその前に裸が当然出ることによる精神的動揺は決してない、と思っていただこうッ! ということでいい意味でもエロい意味でも過去を乗り越えられるのか、かずや! というのが『つぐもも』17巻の概要なのです。
 シリアス面である、奏歌さんの変転はかなりきついン内容でした。かずやの手でやらないと、あまそぎがのしっぺ返しで奏歌さんが、というのも十分きついんですが、それが、あまそぎが体に根付いてしまって、殺す以外の選択肢が無い。その上でかずやにやらせないといけない。それが大変きついことでありました。そしてそのことによって、かずやの記憶を消さないと、実際には封印なので消す訳ではない、いけないくらいかずやのあまそぎを生む力が暴走してしまいます。これにより、桐葉さんはほぼ封印状態になり、更に再びあっても記憶が無いかずやである、という事態にも。それもまた切ない話です。成長し、しかし以前の記憶が無いかずやと、桐葉さんはどういう気持ちでいたのか。と思うともうね。第一話の流れがいきなり切なさとして立ち上がってくる訳ですよ。つじつま合わせるのに苦労した、というあとがきでの浜かづ屋の言に、むしろ全然最初から決まってたんじゃあ、という感想が浮かんでくるレベルでありました。
 さておき。
 過去編が済めば現代に戻らねばなりませぬ。ということで、時は今に戻り、かずやは鍛えることになる、んですがいきなり捕縛されてしまいます。すそはらいの集団も、一枚岩ではなかったのです。親付喪神派と隷付喪神派という派閥があり、親派のトップがいない間に、隷派の一団が政権を奪ってしまっていたのです。しかしこの隷派の長は大変愚昧。色々な情報をきっちりと受け止めておらず、かずやを牢獄に閉じ込めてしまいます。しかし、こっからどうするんだろう。そう思ったら、出てきたのが笛の付喪神響華! いたなあ、そう言えば! でも、そこからどう脱獄を? というのを引きとして17巻は終わります。最後に昔のくくり様の金稼ぎの話もありますが! そっちもどうしてこうなったという内容ですが! しかし、しかし!
 そうしかし。浜かづ屋恒例の裸成分は、今までのシリアスで溜まりに溜まったのを濃縮還元して濃縮還元したような、つまり煮詰まりに煮詰まった大爆発! 粉砕! 玉砕! 大喝采! というレベルであります。今までも裸エロネタはありましたが、今回はたった一話で4種の裸エロを繰り出します。そのどれも一線級のエロさ加減でありまして、どれがいいかというとどれもいいと言ってしまうくらいエロエロなのですが、やはり個人的な言い分としては、ショタ攻めって大変いい物なのですね、というあざみを陥落(オチ)た! させたかずやの攻めっぷりが最高でしょうか。16巻でもショタ攻めを、奏歌さんから教わったテクで繰り出していたかずやですが、今回はあざみを、それも何度も陥落(オチ)た! させていたという事実は大変よい物です。こんな記憶を共有することになる洋装あざみも大変だな……。でありますが。
 そんな訳で、かずやの過去の行いが、今後どう言う形をもってくるのか。というのが楽しみな、17巻でありました。というか、勢力争いと絡んできたけど、そうなるとこれから修行とかしてたりするとまだ相当かかりそうなわけで、だからその辺大丈夫なのだろうか。思ったより長い話になりそうなんだけど。いや、一生どこへでもついて行きます! って覚悟はありますから、いいんですけども。
 とかなんとか。