感想 三家本礼 『血まみれスケバンチェーンソー』6巻

 大体の内容「ギーコ対ネメシス、決着。しかし戦いは続く……」。あちこちでバトル展開しておりますが、実はナグルシュファーの方が激闘だったりも。ギーコの方、対ネメシスはワンチャンで勝負決しちゃいました。前のままのギーコじゃねえんだよ!という分かり易い勝利要因には、しかしそれゆえに唸らされたり。相手の事が分かっているなら、それに勝つ為の方策を練らないわけないわな。っても、やっぱり仙崎部長も大概にオーバースペック。ネロが飛びぬけてヤバい上に超科学力してるからついつい見逃しがちだけど。前のキンバリーのスーツも凄かったけど、あれはどっちかってとギャグめいてた分、そうですかー、みたいな態度で見てたんだけど、今回は地味ながらきっちりとした仕事してた。やっぱり地味に便利過ぎるお人だ。
 さておき。ナグルシュファーの方は、里眼の瞳術が効かない上にバリアという、地味に相性最悪の相手にどう戦うのか、というのが立ち上がったと思ったらエエーッ!? という驚くワンチャンぶり。こっちもワンチャンかよ! と叫びたくなりますが、そのワンチャンでもこっちは武器が体のみだからこその力技でねじ伏せる展開。隙が出来たからってどうにかなるとは思えない相手だったのに、どうにかしちゃうんだから、無茶苦茶というもんです。でも、妙に納得出来る勝敗の付き方だったりします。そういう意味では、最後の道理はギリギリ残っているとはいえます。
 その後の展開、里眼の退場の流れへは思いっきりサバサバサツバツ!しており、え、こんな事で!? とまたも驚かされる事に。死ぬ時はあっさり死ぬ! というのは正しいんですが、溜めとかないのか、と思うと恐るべしといわざるを得ません。これもまたキャラの使い方の一葉であるというのを、見せ付けられた格好です。ナグルシュファーと妙な友情が発生してたのに、だけど、このままいられないのは当然なんだよなあ。と読み終わってから気付いたりも。
 そっちのすっくりとした使い方も印象的ですが、里眼退場の立役者の方は思いっきり色々積み立ててたのに、その退場はすげえあっさりで、そっちの方も、え? こんな事で!? って驚いたり。積み立てたからって、長く使う訳じゃねえんだよ! キャラの使い方というのは、こういうものだ! という三家本せんせの雄叫びが聞こえてきそうです。でも、いい感じに積みあがってたのに、あれは……。印象には凄く残りましたけど!
 さておき。
 次巻に続く形なのは今回もですが、キンバリーの居るチカチーロへの道程、というのがまた敵の積み上げとしてきっちり機能しており、ナグルシュファーと待ち受ける敵との因縁もきっちり出てきて、大変楽しみであります。積み上げては崩すのがこの漫画でありますから、余計に。そして最初の相手はいきなりこの漫画の倫理面に挑戦するような相手で、ネメシス率いるガーディアンズの時より更にヤバイ倫理面との勝負になりそうで、次の巻が待ち遠しかったり。殺ったらまずい相手に、どうする、どうしてしまうんだろう。ガーディアンズでうっちゃられた分、更に余計に気になります。
 とかなんとか。