”噛み合った”だけの試合ですわ
触れば勝てることは証明した
そう……触れば勝てますのよ
この項の説明ッ!!
話数が伸びれば伸びる程、1話の完璧っぷりに感嘆せざるを得ない為、ちょくちょく見直すリスポーン地点となっている、そんな、大@nani『ゲーミングお嬢様』ですが、そのワンワードを取り上げて解説していくという意味不明の試みが、この項です。大の大人がなにをやっている! って感じですが、大人だから、やれんだろお! の精神は大切にしたいです。
それではいってみましょう。
第九回「噛み合う」
噛み合うとは、中々に格ゲー用語なので、カカッと解説していきましょう。
まず、噛み合う、と聞いてどういう想像をされるでしょうか。組み合う、に近い印象を持たれるかもしれませんが、それとは様相は少し違います。組み合う、で出てくるであろう、がぶり四つに組み合う、という力の均衡ではなく、こちらのしたいことと相手のしたいことが合わさってしまった、という衝突の仕方が、格ゲー用語としての噛み合うなのです。
では『ゲーミングお嬢様』においての用法の在り方を思い出していただきましょう。隆子様は転子様をどういう状態でワンセットをもぎ取ったか。それは徹底的人対、つまり相手の癖を読んでの動きで取った。となります。上手く型にはめた、という感じですね。それに対し、その後は相手の行動とこちらのとが、上手く噛み合った、という展開です。ここには、巡り合せの悪さ、という言葉が潜んでいます。
つまるところ噛み合うとは、こっちの動きたいところと相手の動きが上手くあってしまって、という言い訳の世界なのです。そして実際、この後隆子様は転子様を完封します。噛み合ったのではなく、噛み合わせた、と言うべき場面なのです。その違いに到達できなかったこと。それが転子様が勝てなかった要因の一つであります。
にしても、この一戦には格ゲーの味わい深さ、妙味が詰まっています。その後の隆子様の発言もそうですが、立ち回りを放棄しワンチャンにだけ賭ける愚を、それゆえに立ち回りに完璧を求めたものとの差としてきっちり魅せているのだから、生半な手管ではありません。千代ちゃん(椿いづみ『月刊少女野崎くん』)顔で「作者の人、たぶんそこまで考えてないよ」という「真顔でなんてこと言うの千代ちゃん」案件な可能性もなくはないですが、噛み合っただけ、と判断したのが既に凡策だった、ということは狙っていたかと勝手に思っています。相手の脳は覗けないからね!
さておき。
この噛み合う、というのは、中々判断が難しい局面です。自キャラと相手キャラの性能からすると、そう言う噛み合い方をする、狙いと相手のちょっとした動きが噛み合う場合もありますし、その噛み合いがどこ視点の読みあいによるものなのか、どういう読みとどういう処理とが噛み合ったのかというのもあります。遥か高次を目指しているのに台風みたいなザンギでオギャ―ッッ! もありますし、技性能でどうしてもそこがボトルネックになって噛み合うとか、この読みを重視しているからそこで噛み合ってしまうとか、そういう場面がいくらでもあるからです。然様、噛み合うは判断が難しい。そこをどういう理由でか、が分かれば、更なる格ゲー人生が受諾されると思うので、皆さんも頑張ってください。
とかなんとか。