感想 宮原るり 『恋愛ラボ』1巻

恋愛ラボ 1 (まんがタイムコミックス)

　大体の内容「恋愛研究、始めましょ？」。お嬢様中学に入学した倉橋莉子さん。頑張って入ってみたものの、なんだか楽しくない日々を過ごしてはや一年。通称ワイルドの君（ちなみに本人はあずかり知らぬ事）として名は馳せる物の、やっぱり本人は楽しくなし。しかし、ふとしたきっかけで生徒会長真木夏緒の秘密の、恋愛研究をする姿を見てしまう。そこから始まる、後に恋愛ラボと呼ばれる生徒会の話。それが『恋愛ラボ』なのです！
　さておき。
　アニメの出来の良さを見てから矢も楯も堪らず買いに走るという完全にミーハー根性丸出しな状態でこの原作に辿り着いたワタクシですが、アニメの好テンポに負けず劣らずの小気味良さで、読んでいて気持ちが良かったです。ポンとボケが出たらポンと突っ込みが入る。全くグダグダなノリにはならず、きっちりとしたやり取りがまさしく高度に漫才的であり、マキさんとリコさんのそんなやり取りは美しくすらあります。これで百合い展開になる漫画でも無さそうなのは、その二人のやり取りが友達としてきちんとしているからでしょうか。いや、百合になると殿方と恋愛したい！　から離れるから違うんだろうと思ってるだけで、実際百合い展開になるのかもしらんですが。風の噂システムでは普通の恋愛方向に行くそうですけども。さておき、そういう仲の良いから生まれるこの元々からのテンポを全く殺さず見事にアニメ化しているのだなあ、とも理解しました。こういうのに対して、あるいはそのアニメ化に対して、タツジン！　という言葉は送られるべきであることであるな、とか思ったりもします。実際、人間関係とこの漫画の方向性の提示が1巻目の役割であったというのが最後に確認できますが、それを牽引したのはマキさんのボケとリコさんの突っ込みの応答であり、そこが面白くてぐいぐい引っ張られたテク、そして過不足なくきっちりとしたアニメ化したのは、まさしくタツジン！　なのです。
　さておき。
　個人的に沙依理さんが大好きなんでそれについて語って構いませんねッ！！　というパッションが湧いてきますが、やはり基本的にいい人ではないけど、殊更悪い人でもなく、でもやっぱりいい人ではないな、という絶妙の位置取りが素晴らしいと思うんですよ。生徒会内では一番頭が回る人であるし、金ッ！　触らずにはいられないッ！！　という守銭奴的側面もありますが、それよりやっぱり単純に良い悪いじゃないその立ち位置が素敵です。エノさんを助けようとする友達想いな所もありつつ、その友達をしっかりいじるのが好きである辺りとか、いいですよね。マキリコとはまた違う、エノさんいじりからの突っ込みが的確なのも更にいいです。この辺もきっちりコール＆レスポンスが作のテンポに寄与してるよなあ、とか。この辺もまたタツジン！　であります。まあ、なんやかや言いましたが単に金にがめつい眼鏡キャラって最高だと思うだけなんですけどね！　と色々台無しにして〆。さて、2巻以降もガンガン買っていかないとな！