感想 奄美あまゆ 『Lisa Step!』2巻

Lisa Step!   (2) (まんがタイムKRコミックス)

Lisa Step! (2) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容「教師にも青春があるったって、あるったってえ!」。きららミラク産女性教師物である『Lisa Step!』も今回で最終巻になりました。早くね? 終わるの早くね? もっとダラダラ続いても幾らでももってこいですよ? 何で終わるの? そしてなんで『あすみが丘SPS!』は完全に同じタイプのスタンドなの? 終わらず続けてもこのノリだったろ? という思いが募るばかりな漫画。それが『Lisa Step!』2巻なのです。
 内容面は大体の萌え4コマという物がやっている物である、という説明で大体終わってしまう、そんな、青春があると言うにしてももっと方向性をですねー! という漫画な『Lisa Step!』ですが、色々目先を変える技を見せていたりもします。それがこの巻で加入のマリー先生。フランス人ながら日本贔屓で常に和服な堅物という、今までのこの漫画の登場先生に対してちょっと濃い目のキャラ付けであり、なにやらてこ入れですかな? とリアルタイムでミラク誌読んでた時には思ったものですが、郷に入りては郷に従えの名台詞ではないですが、結構あっという間に堅物雰囲気がなくなってしまう辺り、この漫画の基礎はそういうゆるっとしたもんだよなあ、と理解が出来るかと思います。ゆるさisパワ!
 実際問題として、この漫画の売りはやはりゆるさとへちょさであったかと分析しています。登場先生が女性中心でボディラインがとてもエロス!((c)佐天さん)で、特にリサせんせの胸元はなんとなくどんどん広くなっている雰囲気があり、エロいを通り越してヒワいと言えるラインに到達している訳ですが、それでもエロいよりもゆるいという方向に感じる辺りがこの漫画の得がたい特徴であったでありました。帯に「教師にも青春がある」、という言葉が書かれていますが、青春ってこんなにゆるかったっけ? と言う位には、ゆるゆるとした時間を過ごしているのであります。青春も、常にビンビンではないよなあ、という理解の方が正しいのでしょうか。わかんねー。
 さておき。
 ゆるさに輪を掛けていたのが、へちょさ。この漫画、基本的に線のすっくとした感じなんですが、ゆるさを出す場面では大変へちょい、本当にへちょいとしか言い様が無い絵になる時があります。それが回を重ねる毎にどんどんとへちょさのレベルが上がっていって、ゆえに大変ゆるく見えるようになっていました。この辺は匙加減として、狙ってやっていたようにも見えるので、やはりこの漫画の基本はゆるい、なんだろうなあと理解させられます。先生がゆるくてもいいじゃない、というのは慧眼ですね。皆いつもキンキンに張り詰めてる訳じゃない、というかそっちのが少ないよね。そういう事をもしかしたら言いたいのかもしれません。この巻の最後である最終回で、リサせんせとマリー先生の家に、つまりイギリスとフランスに皆で行こう! って終わり方の、これから楽しんで来るんだぞー! という雰囲気は、その旅行も見たかったのもあって、どうにも心躍らされます。でも、ここで終わり。ある意味、一つの区切りではあるのだなあ、とも。この名残惜しさは、奄美せんせの名残惜しさでもあるのかなあ、と妙なシンパシーを感じつつ、項を終えたいと思います。