感想 宮原るり 『恋愛ラボ』7巻

恋愛ラボ (7) (まんがタイムコミックス)

恋愛ラボ (7) (まんがタイムコミックス)

 大体の内容「(たくさんの意味で)ドッキドキの生徒会交流会!」。この巻のメインは他校の生徒会との交流会。今まで参加してなかった藤女が今回参加するという事で、結構大事な感じに。ヤンナギのいる南中にも、というか他の学校は今まで出てないんだから当然、その情報は波及。前々から藤女生徒会会長に興味津々だったヤンはちょっち喜んだりも。でも、その正体がマキさんである、というのは知らないまま、そして知らされないまま、交流会へと雪崩れ込んでいく。それが『恋愛ラボ』7巻のマキさん重視の概要なのです。
 マキさんはマキさんでヤンとどんどん人生初をかまし続ける運命をまい進していますが、そこはそこでいつも通りの進捗具合。つまり進んでるのか戻っているのか全く不明な関係。この二人の運命具合はやっぱり凄いんだけど、どう転ぶのかさっぱりだから困る。最終的に藤女生徒会長とバレて気まずい空気を持ったりもしましたが、その辺は一騒動で片が付きました。やっぱりこの運命具合……。
 さておき。マキさんはそういう流れでいつも通りでありましたが、この巻ではそれよりも大きなトピックがあります。リコさんがとうとう、とうとう! そう、とうとう、ナギに対して恋心があるのを自覚したのです! ナギ登場からこっち、何年掛かってるんだよ! といいたいですが、作中時間では3ヶ月しか経ってません。その事実に、今後の展開がどうなるんだろうか。そしてどれくらいのスピードで進むのだろうか。そう考えるだけで楽しみに出来る時間が長くあるのに気付き、嬉しい気持ちになるのでありました。
 ナギリコの話になってないですね、戻しましょう。
 今回のリコさんは、交流会でおしとやかに、という事でサヨさんがE・超苦手とするマキさん真似をしたりして、ナギにらしくねー! とか言われても交流会中、猫かぶってたんですが、そこで起きた一悶着(ヤンマキのとはまた違う)で結局かなぐり捨ててしまいます。でも、ナギにそれがやっぱりリコらしいや、そういうのが好きだ、と言われてしまって、このリコさん陥落(おち)た! 状態に。その日のうちにもう一度会うのが不可能なくらい、確実に恋心を確認してしまってました。もー! 恋する女の子はやっぱり可愛いなあ! それが周りの仲間達からは既に当然その形だとバレてましたけども。祭りで奢ってもらうという形でプレゼントされた瓶ラムネの、その瓶を後生大事にしてるんだから、当然分かりますよね、同じ恋に恋する乙女達なら。仲間達からしたら本当にやっとかよ! である事案で、でも皆祝福しているのが、やっぱりこういう空気っていいなあ、と思わされます。いいなあ。
 さておき。
 そっちも大きいトピックでありましたが、もう一個、今回は大きなトピックがあります。それがエノさんに恋する相手が唐突に生まれた事です。あまりの唐突感に一瞬以上「!?」ってなりましたが、そんな瞬間的な出会いでも全く免疫が無いエノさんにはたまらないもんがあったようで、マキさん曰くの「昨日まで一番男子と接点がなかったのに リコが6巻かけたレベルまで一日で…!」な状態に。そして、その人がヤンのとこ、つまり南中の生徒会長だと発覚! 交流会で会っちゃうじゃん! となりましたがそこでの接点は大きくはなく、でも生徒会長さんへの印象はいい感じに終わって、あれ、この目ってあるの? と思わされてしまいます。ぽっと出だからこその、がつがついくんじゃなくて、飛んでる分の手順を踏むような綺麗な歩み方であるのかなあ、と考えさせられました。絶対運命黙示録なヤンマキとも、再燃上等のナギリコとも、もしかして? なレンスズとも違う、別の手順をしっかりしてきているなあ。この藤女生徒会のラブ感を見てると、その内の一人であるサヨさんの彼氏さんの不憫度が鰻上りなんですけども。彼はサヨさんと付き合い続けられるのかなあ……。くじけるなよ。お前は俺達の誇りだ。←何言ってるの?
 さておき。
 仲間として、親友として部分もこの漫画の味というか、メイン味の一つですが、今回はイベント回が続いたのでマキさんの誕生日話くらいしか主だったのはなかったであります。とはいえ、それならそれで一回できっちり面白く、そしてい話としても立ち上げてくるからやっぱりこの漫画好きです。今回は言うのもなあ、としてたこういう所で控えめるマキさんにちゃんと言え! と言える仲のリコさんというのは素晴らしいですね。きちんと友達である、という感じで、きちんと祝ってやりたいというのがやはり素晴らしい。仲良き事は美しき哉。事案でありました。
 とかなんとか。