感想 宮原るり 『恋愛ラボ』3巻

恋愛ラボ 3 (まんがタイムコミックス)

恋愛ラボ 3 (まんがタイムコミックス)

 大体の内容「巻き起こる波乱三本!」。基本的に恋愛研究という名のマキさんボケ倒しが重視されていた1、2巻からは少しずつ展開に新たな色が追加されてきて、しかし基本はボケに突っ込み入れるストロングスタイルであったりします。色、つまり、実際の男子との出会いと生徒からの依頼という色です。それに対応したり圧倒されたりしつつ、それでも藤女生徒会の毎日が続いていく形。色んな事が起きる中、皆が少しずつ変わっていってるのが、分かりだすのはもうちょい先ですが、この巻でも例えばリコさんがマキさんをかなりの勢いで知悉し始めてるんですが、ワイルドの君というあだ名を知っておしとやかにする! とマキさんの真似事をするのはまだいいんですが、マキさんの突如取った謎行動も同時にこなせる辺りは凄いというほか無い域に到達していました。親友だからってさあ、同一化し過ぎだろ……。こう動く! って普通親友でも分かんねえよあの動きは……。
 さておき。今回の色味である依頼の方は流石に全部答えられない! と目安箱撤去したのに、新聞同好会が投書箱を設置! という事で、なんとなくな敵対組織として新聞同好会が浮上してまいりました。生徒会とは禍根、というかサヨさんにある意味妥当なこてんぱんに、超多い予算要求したら部活から降格されてしまった事があり、それゆえの敵対行動をされている様子。その禍根を断とう、としても同好会である事には甘んじているようで、どうにも敵対する方向を止める気はないと言った取り付く島のなさ。
 そして、それと間の悪さが合わさって、サヨさんが彼氏がいるというのが先生方に知られてしまう事態に。恋愛禁止というのは流石の名門女子校であるなあ、という程度だったのが、ここにきてそういう形になっちゃうか! というサヨさん生徒会離脱騒動に発展していきます。しかし、その行動はそこまでするつもりでは無かった新聞同好会との共同計画で、事無きを得ました。良かった……。良かったよ……。となってしまうのもむべなるかな。と言うやつになるのも、サヨさんスキーとしては、そして藤女生徒会スキーとしては当然の事です。まあ、マキオがまさかこういう使い方されるとは思いも寄らなかったりしましたけれども。捨てネタかと思ったら、有効活用してくるじゃない!
 さておき。この巻でのもう一色、それが男子との接近遭遇な訳ですが、この巻ではリコさんの弟レン君登場と、ヤンとナギとリコさんとマキさんの妙な関係がそれに当たります。
 レン君は小学生でもモテ体質ですが、マキさんの外面力による清楚さにぽわーんとしちゃう辺りがまだまだ小学生でありますし、モテるけどそれを無闇に使おうともしない、面倒がってる辺りも小学生です。他に楽しい事が一杯、というのより、一番親しい女性である姉がリコさんというので、若干女性に対してヘイトが溜まってる感もありますが、それでも、このモテる時期を活用しない様を見ていると、バリバリの非モテからするとぐぬぬ……。ってしまいますよ。それいらないなら俺にくれよ! と落ち着きが必要な位猛ってしまうのも仕方ないのですよ……。
 ヤンナギリコマキは気持ちのラインがまだ出来上がっていないゆえの不可思議な間柄に。ナギとリコは微妙にすれ違ってるし、ヤンマキはマキさんがヤンに苦手意識だけど男性の人にされたい事をどんどんやられてうわー!ってなってるし、ヤンリコは何かあった時代もありそうだし、ナギマキは若干マキさんの外面力全開の清楚さにメロってるし、ってなんだこの複雑なの! これの紐がほどけていくのか、絡まっていくのか。気になる所であります。ボケ突っ込みの綺麗なストロングスタイルもいいですが、こういうラブ方面も目が離せないですな!