感想 宮原るり 『恋愛ラボ』4巻

恋愛ラボ 4 (まんがタイムコミックス)

恋愛ラボ 4 (まんがタイムコミックス)

 大体の内容「とうとうバレる、リコの嘘!」。この漫画の駆動系の一つ、リコさんの恋愛巧者という嘘が、この巻でついに解決を見ます。バレる、というより解決を見る、と言う方がしっくりくる、綺麗な物となりましたが、これもリコさんがマキさん達にしっかりと誠実な部分、なあなあで付き合わず正面から当たっていたのが奏功した格好と言えましょう。嘘はそれはいけない事だったけど、それでもちゃんと今話してくれた。それで十分なんだなあ。いや、両頬ビンタしてたけど。でも、それでチャラ。こんな私でも友達で、親友でいたいと言ってくれるのが嬉しいです。ってなったのは本当に良かった。これで恨みがましい展開になるマキさんでもないし、とは理解出来ますが、それでも綺麗に収まってくれてほっとしましたよ。
 この巻はそこに至るまでの過程の巻でもありますが、序盤は前半はサヨさん離脱騒動の後始末があったり。そこで披露されるサヨさんの超残念なコスプレは素晴らしかったですね……(遠い目)。中世風を仇敵新聞同好会に撮られてましたが、あれその後どうなったんだろう。と思ったらしっかり使ってて噴く。揺ぎ無いな、新聞同好会。
 そういえば、新聞同好会とは仇敵と書きましたが、サヨさん離脱騒動から一気に親密というと違うけど、越後屋、措置悪よのう。いえいえお代官様には敵いませぬ。な微妙な関係性になっていて驚いたり。何故に!? と思ったらマキさんが新聞同好会がやりたがっていたけど、同好会では出られなかったコンクールに出れるように計らっていた、というのがあっての事でありました。こういう所で変に恩を売らないのがマキさんのいい子な所だなあ。それで関係が劇的ではないけど、かなり改善して、更に恋愛研究成果と依頼の件も片付いたんだから、情けは人の為ならず。いい事したらいい事が帰ってくるインガオホー!であります。
 さておき。
 男子勢との付き合いは今回も妙というか微妙。ナギはマキさんにどきんと来たりしてるけど、でもどちらかといわなくてもリコさんの方に気がある感じで、リコさんもどちらかと言うと気がある感じ、という微妙な範囲の両思い感。一度終わった恋だった感じもありますが、今回のリコさんの嘘を告白する場面へと至る道で、ヤケボックイに火がついたようでもあり。この辺どうなるやら、と。対してヤンマキはそういうの全く無さそうというか、マキさんはヤンをどうにも苦手意識だけど男子に色々されて混乱してるし、ヤンもマキさんには苦手意識なわりに構ったりと、こちらも変な関係。冠を進めると、もっと状況はすっきりしているような迷走しているようなですが、この辺りに比べるとすっきりはしているんだなあ。
 さておき。マキさんの恋愛研究での残念さが異常なのはデフォですが、逆光の女神作戦とか泣き芝居とかちょくちょくホラー化するのはどういう事なのか。情念が強すぎて恨み節になってる感じなんですよね……。それだけ気持ちが入り込んでるという事ではあろうかと思いますが、相変わらずリコさんのツッコミが冴え渡る展開は、色々とあった今回では清涼感でもありました。ホラーされたから肝冷えたのかしらね。