感想 高橋慶太郎 『デストロ246』3巻

 大体の内容「反逆の話」。最初の一話は2巻での話の残った部分でしたが、それ以外は苺さんの組織の幹部、せつなさんの反逆のお話がメイン。それが『デストロ246』3巻の内容なのです。
 今回暗躍するせつなさんは警察のお偉い人の娘で、苺さんの親とその親が親交がある、というつまりずぶずぶやんか! という関係ですが、力関係は先に書いたようにせつなさんが下。ゆえにせつなさんは苺さんのシマを奪い、上に立つ為に反逆を企てる訳ですが、その為に動かそうとしたのが藍と翠のぶち切れ殺し屋コンビ! 毒を以て毒を制すにしても、毒過ぎる相手であり、実際に手痛いしっぺ返しを食らう事に。
 なんですが、その前に苺さんに企てが、秘密の取引の場所に藍&翠が、そしている場所を見てしまって、バレてしまうんですが、ここで苺さんは特に殺すとかそういう事はせず、藍&翠のやるように任せる事に。そして、実際に手にかかりかけるせつなさんを、その後藍&翠に撃たれて重傷のせつなさんを救い、高飛びの用意をし、藍&翠に飛行機ごと狙われる所も助ける、という行動をします。これは単に温情というにはあまりに寛大過ぎるんですがこの辺は器の大きさとしてせつなさんは感じていたり。単にそれだけではないような気もします。それが苺さんがせつなさんに言った先代の呪いという言葉と結びつくんでしょうか。謎です。
 謎というと今回は藍&翠の追う謎、透野氏の妻子を殺した相手というのが苺さんの情報から判明します。それが、この巻途中で何気なく伊万里から告げられた「沙紀」という名前。背後関係もしっかりしており、事情もかみ合っているのでこれはたぶん標的として間違いないのでは、と思われますが、しかしどうにもその背後関係が面倒くさそう。でかい相手のようで、伊万里もそこが動くと東京が、って懸念してたのでそりゃ大変な相手であるんですが、それとの戦いとなっていくのか、それで伊万里達がどう絡んでくるのか。そもそも今までにちょっとした組織を軽く壊滅させた前歴がある面々ですが、元々組んでる訳でもないし、それ以上の組織となるとどうなるやら分からんです。単なる男面子なら今回のせつなさんに使われた雑兵もでしたが、この漫画だと自然と、軽く、すっと、ぬっ殺されるんですが、そうでもない、女相手ではそう簡単にぬっ殺す展開にはならないだろうし……。財閥みたいなのが絡んでるとなるとなんか、思ったより大事になりそうな漫画になってまいりました。ほんと、どうなるやら。
 さておき。
 今回の最大のつっこみ所は巻末書き下ろしのレズ5P。体力もたん! ってちょっと考えれば分かりそうなのに勢いでやってしまう所に若さを感じます。というか、お前ら仲いいんだなー! 裏切りしたいとか思ってた相手のこんな話に乗るのかよ……。って事で変な笑い所として最後に降臨されておりました。なんだこの漫画。