感想 佐藤両々 『崖っぷち天使マジカルハンナちゃん』2巻

 大体の内容「帆南さんの人生ハードモード過ぎィ!」。よく人生ハードモードという言葉を聞く事はありますが、そのどれも帆南さんの前では霞む! というレベルで酷い状態になっていたのが更に酷い状態になっていくのが、この漫画、『崖っぷち天使マジカルハンナちゃん』なのです。
 元々1巻の段階で主人公でアラサ―の帆南さんが成り行き上魔法少女になってから、どんどん不幸と言うのすら生ぬるい地獄のような状態にぶち込まれていくのを見ているしかできない漫画でありましたが、2巻では貴様には地獄すら生ぬるいという事態へと突入して行きます。王女が浚われた王子の為に人間界にきちゃった! から始まる煉獄のドミノ倒し的展開は「本当の怒涛とはこうやるものだ、フゥーハハハハ!」という両々せんせの笑い声が聞こえそうな、そして帆南さんの人生についてあもりにも酷過ぎるでしょう? 何かしたの? 帆南さん前世で何かしたの? 神にたてついたとかそういう事したの? という憐憫なんてものではなく号泣物の悲哀が湧きたつ仕上がりとなっております。あまりにも酷い展開が続き続けるので、読めば読むほど脳が混乱をきたして、ただ「これはひどい」「これはひどい」「今のアニメ酷かったね」としか口に出来ない体になっていくのを実感して、両々せんせの卓越した卓越が卓越し過ぎて卓越している様をただ感じ入るばかりであります。というか、なんで会社行くだけでこんな剣山の道を裸足で歩かないといけないみたいなことになるんだろうか……。
 しかし、この酷い中にあって恋愛模様というのがあるから更に脳内に混乱が生じます。それも、帆南さんの元カレが帆南さんに化けたこの話の敵役トウメイ(男で凄腕の魔法使い)の甘い言動のせいで元鞘に戻ろうと帆南さん本人に言い出すというねじくれ具合で、更に帆南さんはもうこの状況ならちょっと守ってくれるなら人間じゃなくてもいいわって自暴自棄が爆裂してしまって変な三角関係になりそうになってたりでもう何が何だか。そこも含めてこの漫画の着地点が全く見えないと言うかこのままいったら帆南さんは人間界にいるより魔法使いの世界に行った方がいいのでは。と言うかむしろ人間界で生きていけないのでは。と思わせる辺りが本当に非凡な漫画として立ち上がっている訳ですが、でも本当に、どうなってしまうんだろう。二巻終盤のひたすらバタバタバタバタした展開とか見ると、ケッチャコ……がつくのはそんなに遠い事でも無い気もしますが、それまでチョットした事がひたすら酷い展開をじっくり見せてきそうです。
 最後に一言だけ言うなら、お隣さんのただ巻き込まれただけなのに理解を越えた超絶の光景をひたすら見せられてて、この人も相当不憫だから早く記憶を改ざんして何事もなかったように過ごさせてあげてください!
 とかなんとか。