感想 くずしろ 『少年少女18禁』2巻

 大体の内容「倫吾に幸あらん事を!」。この巻で最終巻という短命に終わりましたが、終わり方はある程度考えていたのか、非常に綺麗に、且つこの漫画らしい着地点へとソフトランディングしつつ、でも倫吾が色々可哀想ですよねえ! というのが、『少年少女18禁』2巻なのです。
 今回の巻で最終巻なのですが、その内にあって倫吾は自分の失言「俺とセックスしてみる…?」から、何がどう絡まってなのか告白もしてないのに振られて更に説教されるという亜空の展開にぶちこまれます。
 それもこれも和さんが一人思考相撲を取り組んだ結果、言った理由の把握を誤ってしまっての現象です。でも上手く思考が絡まっていればいい形になっていそう雰囲気は最初にはあったんですよ


発言の真意が分からずの朝が来た

 こんなてれってれだった和さんですが、思考がどんどんと進行して行くと、恋愛感情が、ないな。体目的でも、ないな。と冷徹なジャッジが炸裂してしまい、結局。


わりと真剣トーンの説教

 このように説教となってしまいました。自分の為にネタをくれた! という喜びもその前にあるんですが、そこであれ、なんか反応がおかしい!? だった時点で倫吾の敗北は決まっていました。というか和さんエロ漫画脳過ぎんよぉー。というキャラクター性ががっちり嵌り過ぎた結果の惨事でした。
 さておき。
 そんないつものと言えるエロ漫画思考から、それを積極的に描く場を、というので即売会の話が出てくるのも一つのエポック。そこから、描く喜びと手に取ってもらえる喜びを知った、その後に親バレ! という怒涛の展開から、最終話に向けて突っ走ります。一回ダウナーに、和さんが描くの止めるというのから大返ししての最終話の土壇場、和さんのもう駄目だこのエロ漫画脳が発動してのエンディングへの終局具合は綺麗でありました。まあ、土壇場の言葉がこの漫画のすべてを表していたので、後は綺麗になるしかなかったというべきでしょうけれども。このワンパンが、ワンパターン感があったりしますが、でもやっぱり効くパンチは効くというトートロジーが発動するには十分な威力でした。また言うけどもう駄目だ和さんのエロ漫画脳。
 さておき。
 この漫画はここで終わり、ですがもうちょっと見たかったなあ、という部分が何カ所かあります。まず岩鷲さん。


清々しい笑顔だが

 こんな清々しい笑顔をしていますが、和さんと衝突してくんずほぐれつ(若干の語弊)の後、久しぶりに触れあって良かったなあ、なので、全体的にお前それでいいのか? 嫌がってたんじゃなかったのか? という言葉で彩られている笑顔です。相変わらずちょろいにも程がある。この岩鷲さんの処遇がもうちょい見たかったです。ちょろさのせいでどんどんエスカレートして大変な事になるのではなかろうか、と思ってたんだけどなあ。
 それと、名言製造機みるくせぇき涼先輩の語録ももうちょっと見たかったです。


この名言力

 この2巻最終巻でもその名言製造機ぶりには一点の曇りもなく、そのほとんどの発言が名言でした。名言吐いてない方がむしろ異端な台詞だと思ってしまうレベルです。これも、もっと見たらどうなったかなあ、とか思います。
 他にも室根さんとか倫吾の姉さんとか、もうちょっと掘り下げられただろうなあ、というお人もいるんですが、まあこれ以上考えても切なくなるだけなので止めましょう。
 それでは最後に、倫吾の名言でこの項を閉じたいと思います。

 こいつの童貞らしさは見習いたいなあ。とかなんとか。