感想 マキヒロチ 『創太郎の出張ぼっちめし』1巻

創太郎の出張ぼっちめし 1 (BUNCH COMICS)

創太郎の出張ぼっちめし 1 (BUNCH COMICS)

 大体の内容「題名通りですよ」。つまり、創太郎さんが、出張に出て、ぼっちでめしを食う。そう言う漫画なのが『創太郎の出張ぼっちめし』なのです。
 いきなりですが、『孤独のグルメ』は傑作です。その発見後に大量のフォロワーを生み出し、食漫画に作る系でなく食う系という一つのジャンルとして定着をさせた功績は多大であります。そのフォロワーの中の最も色濃いフォロワーとして、『創太郎の出張ぼっちめし』はあるんだよ! とキバヤシ断言してしまいたくなるくらいに、ド直球のフォロワーなのであります。男の人が、店に入って飯を食って美味いとする。その基礎基盤は同じタイプというよりはコピー&ペーストと言えましょう。とはいえ、基本的な部分は当然創意/相違があります。
 五郎ちゃんはうまい、と言う言葉を出すには出しますが、大抵そこまで感情が乗っている訳ではないし、案外黙々と食ってるのに対して、創太郎さんの美味い! は感情が大量にのっかっていますし、感情的で、情熱的です。
 五郎ちゃんは取りたてて美味いので有名な店というのに突撃せず、偶々寄った店で、という傾向が強いのに対し、創太郎さんはイマドキの人らしく食系サイトのお勧めの店に突撃します。
 五郎ちゃんも偶に遠出しますが、それで観光スポットに、というのはあんまりなく、なんとなくこういう所に、という側面が強いですが、創太郎さんは結構ちゃんと観光スポットに行ったりします。
 五郎ちゃんには浮いた話は全くないし自分からそっちの方向に進む事もないですが、創太郎さんはわりと恋愛とかにガツガツとしており、出版社勤務故に書店員さんに粉かけたりしていたりします。
 この辺の違いを列挙すると、基礎、ベースは似ていても趣が変わっているのが分かるかと思います。しかし個人的にはやっぱり二番煎じ、二匹目のドジョウ感がやっぱり付きまとっていて、その上で更に創太郎さんに対していらっとする部分が多かったり。ある意味では大人として完成されてる五郎ちゃんより、まだ若く未熟な所があるがゆえに、対比するといらっとするんだろうなあ、とは気づいていますが、それでも折角の旅情のある出張で店を開拓しないとか、半年前に別れた彼女にLINEでメッセージ送るとか、この人駄目駄目だ……。というのがやっぱり目に付きます。とはいえ、それも徐々に改善されるのと、それに比して旅情らしい観光もするようになっていくので、巻の終わり頃にはこれはこれでいいかもな、と思い直したり。とはいえ、まだ五郎ちゃんの高みへは長そうなので、そう言う意味で今後の創太郎さんのクンフーが楽しみです。
 とかなんとか。