感想 椿いづみ 『月刊少女野崎くん』6巻

 大体の内容「帯のせいで『俺様ティーチャー』読みたくなったじゃねえか!」。というくらいに、通常進行。漫画ネタを探しながらバカをしていく中で偶にラブがあってな、それこそ『月刊少女野崎くん』なのです。
 今回の巻は特にこれ! という部分が無い代わりに全てレベルが高いという幸福な悪夢とも言うべき濃厚さでお送りされており、ぶっちゃけ全部のネタが面白くてしょうがないと言う、ある種円熟ゆえの味わい深さが発動しております。なので先にも言いましたようにこれ! という場面が多過ぎるし、通しての流れの中で際立つのが多いので、画像選択が難しくて仕方ないのでいっそ無しで行こうかとすら思う状況です。でも、それだとなんとなく味気ないので、ぶつ切りでもいけるのを何個か挙げてみたいと思います。


今回の巻で一気にバカキャラが板に付いた若松君の華麗なライト避け


仮にとはいえどこ狙いのキャラなんだよ


堀先輩はちいさい


野崎くんの発想は大体方向性がおかしいから従うとこうなる


鹿島君はスレンダー

 さておき。
 今回も上記の画像を見れば分かる通りにギャグ度は切れあがっておりますが、その中でも個人的には以前にあった「リボン!!」回再来の都さんと野崎くんとの会合を見てしまった男、遼介さんの話とミコリンが彼女のフリする人が必要となった話が個人的にマストです。
 前者は同じ会話でも前提条件、つまり都さんの漫画の事を知らないと全然台詞の意味合いが変わってくるというテクニカルさと、遼介さんが(傍目からは)酷い事を言ったりしている野崎くんにお前ちょっと立てよ! で本当に立たれると野崎くんがあの通りの高身長でずもっと上から見られる、というのでつい「座って下さい」とか捨て台詞言ってしまうというへたれ加減が素晴らしい。素晴らしく格好悪い。いいとこ見せようって部分もあったろうに……。その後も俺はお前のバニーいいぞ! とか言い出したりして、一気にこの人は……。という諦念を覚える感じに。しかし、一発キャラかと思ったんですが、どうも瀬尾さんの兄貴らしい、千代ちゃんをパシラせるなんて瀬尾さんくらいだろう、というのが分かり、今後も出てくるのかしら、と思わされます。おまけ漫画ではかなり慕われてる感じなのが印象的でした。
 後者はミコリンが告白されてでも応じるつもりはない、なのに引き下がらない相手に対して俺付き合ってる人いるし! ってなるというまさしく王道進行なんですが、一番恋愛感情なくて親しい女の子である千代ちゃんがこれは手伝ってくれって言ってくるかな? と待ち態勢でいたら、ミコリンも千代ちゃんがあたしが、って言ってくるかな? ってなって待ち態勢になっており、ちょっとした間の後に「何も言ってこないだと!?」って同時に戦慄する辺りからこの漫画らしいな、と思わされます。その後鹿島君とやったら鹿島君が彼女と言うより彼氏だったり、瀬尾さんとやったら瀬尾さんが外面仕様でダンマリすれば問題ないので、これで! とやったけどその後はまあ瀬尾さんだからね……。みたいな状態になっていたりと、王道ながらこの漫画らしい状態でありました。うん、これこれ。
 さておき。
 ラブ方面もこの漫画のらしさが出る部分です。いつも、あー、バカだなー、バカだなー、ってこれラブだ! というくらいに唐突にブっ込まれるのがこの漫画ですが、今回もそれは変わらず。今回は特に瀬尾若松組と堀鹿島組がピンポイントでいいものでした。瀬尾若松は上記のお澄まし外面状態の瀬尾さんがぱっと見別人なので気づかないのでは、というのに気付いたけど靴下履いてる! という部分で気づくというお前よくそこ気づくなと言う事は……。と思わせるとこが良かったです。そして相変わらず瀬尾さんは若松君が気に入っているのも分かる場面もあったりして、瀬尾若松好きには堪らぬ巻でありました。
 堀鹿島組は、鹿島君が片思いの役の為に役作り、で堀先輩を避けてみるというのをしたら、堀先輩が鹿島君を更に構うように、というのでこれもまた良いものでした。鹿島君も、それでこのまま避けるの続けるの辛い! とかなっていて、ニヨニヨ出来る部分でありました。ついでにこの回の最後の一本は野崎くんと千代ちゃんの関係が微妙に過ぎるながら進んでいるのか、と思わせる部分で、それもまたニヨニヨできました。いやあ、良かった良かった。
 とかなんとか。