感想 30M先 『Game Create Club』1巻

Game Create Club 01 (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

Game Create Club 01 (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

 大体の内容「私の為にゲームを作って!」。フリーゲーム製作者である世川君のクラスに転校してきたのは、ゲームをするのが大好きな、そして好みの人に飛びついちゃう系女子、天堂さん。世川君がフリーゲームを作っていると知った彼女は、早速彼に飛びつき、木場さんと英さんを巻き込んで……。という事で始まるのが『Game Create Club』なのです!
 飛び付く、というのはゲーム目当てもあり、世川君が気に入ったからもあり、と複雑な様相を見せているようでいて、天堂さんんの行動原理からすると自分の好きな事を作るのをしている人だ! という一本線が入ったがゆえのものです。他の人にも、この人いい! ったら突撃する子なので、大きな意味は、最初はありません。しかし、この巻も後半に差し掛かると、世川君も抱きつかれるのにそこそこ慣れていて気付いてないですが、案外意味合いが変わってないか、とも思わされます。その端緒は、天堂さんがデバッグ疲れで糸が切れたように寝ちゃった回での、世川君の「寝てるときはかわいいんだけどなぁ」発言と、その後での天堂さんの照れっ照れ描写。この女陥落(オチ)だ! 感満載であり、こちらの視点がそういうのありなのね、と思わされる誘導線となっております。しかし、同じ同好会の木場さんに対して、世川君は恋心があり、木場さんも世川君に、というので、ここに大変な修羅場ロードが建立されております。基本能天気にゲーム作ってそっちの修羅場になったりしますが、恋の修羅場もあるのか、あるというのか。そんな複雑さを出してくる可能性は無きにしも非ず。なのでそこは油断しないようにしたいと思います。
 さておき。
 ゲーム作りというのは90年代オタには堪えられない響きがあります。ファミコンが生まれ、アーケードは隆盛で、どんどんゲームは進化していった時代に、オタとして生を受けたならそれをしたい、ゲーム作りをしたいという衝動は、あえて大きくいいますが、誰しも持っていたと思います。そりゃ私も格ゲーの仕様考えたりしましたよ? すげえ楽しい時間でしたよ? でも、それは実際にはつながりませんでした。だから、それを楽しくするこの漫画というのは、なんというか理想郷であるなあ、という気持ちになります。色んな女の子に囲まれてゲームを作る! それを楽しく遊んでくれる! と書くだけで世川君に対するヘイトが爆上がりするのは仕方ないと思いますけれども。特に天堂さんとの関係がとても入り組んでいて、単純にゲームをしてくれる人ではないし、単純に好きだって人でもないしであり、それ故に相棒という言葉がぴったりくる、けどこの言葉は他の関係を消しちゃうかなあ、とか思ったり。お互いがお互いを意識した時、この関係がどう構築され直されるのか、あるいは破綻するのか、というのもまた見方ではあります。でも、ゲームがあれば、案外二人はなんとかなるのかなあ、とかも思ったりします。でも、しばらくはこのまま楽しくゲームを作っていくというのは変わらないかな、とも。くそー、こういう青春したかったなー。
 最後にどうでもいい事を。世川=セガ、天堂=任天堂、英コウ=光栄、は分かるんですが、木場(このは)アイナさんだけはどこのゲームメーカーなのか分からないんですよ。だれか分かる方はいらっしゃいませんか? ぐぐっても出て来ないんですよ……。
 とかなんとか。