感想 氷川へきる 『女子高生VS』1巻

 大体の内容「便利な言葉だよアイドルって!」。最初はへきる印の日常系の様相を見せていたのに、気が付いたらアイドル物に。でもやっぱりへきる印の日常系の範囲内。そんな無茶な漫画が、『女子高生VS』なのです。
 氷川へきる味とはいかなるものでありましょうか。個人的な注目点でいうなら、カオス所謂混沌をぐろぐろと煮詰める所でしょう。この漫画も、まず色んなキャラをぱぱっと出しておいて、でもやるのは変な日常。その中で更にキャラがどんどん出てきて、その中でイルカとかが当然のように顔を出し、そして進むぐちゃぐちゃ。その中から、アイドルという一本軸がずるりと出てくる異様。その中にイルカが当然いるという異様。これこそ氷川へきる味です。
 そんな氷川へきる味のこの漫画ですが、『ぱにぽに』よりもその味はカオスです。先にイルカが出てきてというのが本当にイルカで、イルカとしてちゃんと扱われてるけどやっぱり陸上で呼吸してるのでイルカじゃないんじゃないか、と思わせるけどやっぱりイルカ扱いだったりする辺りで色々察していただきたい。アイドルとしても活躍するイルカですよ。もう何が何だか。他にもモンスターが当然のように登場したり、忍者先生とか一発ネタを突然ぶっ込んできたり、アイドルネタもきっちりやるけど写真撮影にオークが当然のようにいたりとかもう本当に何が何だか。しかし、その破綻寸前の無茶さ加減を内包し続けることが出来るのは、やはり氷川へきるという力の強さでありましょう。他の漫画家の人なら許容されない、というか氷川へきるせんせだったとしても許容範囲ぎりぎりの無茶さ加減こそ、この漫画の妙味なのです。こんなぐちゃぐちゃなもんがどうしてこんなに美味いのか。そんな気持ちにさせてくれます。
 さておき。
 キャラクター話に移りますが、やっぱり要素盛りまくった村雨さんのどこまでも盛られていく要素が凄い好きです。巨乳とかロン毛とか眼鏡とかくっ殺せとか恥ずかしがりとか色々要素があるのに更に変身ヒーローの要素とかプリズンボイスとか足されるという要素地獄でキャラがぶれるというのにいい感じだという不思議具合。この辺のカオス具合もこの漫画の魅力であります。いやでも、村雨さん盛り過ぎにも程があるだろ……。とは思います。思いますが、でも好きなんだよなあ。そう言う意味ではこの漫画を好めるかどうかのジャッジは村雨さんを好めるかにかかっているのかもしれません。
 とかなんとか。