感想 小守ゆきち 『202号室の×××ちゃん』

202号室の×××ちゃん (まんがタイムKRコミックス)

202号室の×××ちゃん (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容「となりの部屋には宇宙人!?」。高校入学を機に一人暮らしを始めた晶。しかし隣室に住む「ナノ」と名乗る少女が……。という風に帯で書かれている通りの出だしから始まるのが『202号室の×××ちゃん』なのです。
 ナノさんのその正体、それは宇宙警察! そして妖怪のせいなのね、そうなのね? という部分はすべて宇宙人の仕業! ということでナノさんの宇宙人捕獲に巻き込まれる晶さん、という方向性を見せつつ、話は一転、ナノさんは宇宙人を捕獲するのはそうだけど、実は晶さんを護る為にずっと見守ってきていて、という方向にするっと向かい、この巻で終了していきます。案外綺麗に終わっているので、これはこれで良かった、とは納得出来ました。
 とはいえ、やっぱり急速に終わった感じは否めないのが問題点でしょう。最終的な展開も相手がアホで良かった、って形でしたし、オチもよくある形でした。所々に見所がある漫画でしたが、やっぱりきららは難しい土地だな。と思うばかりです。とはいっても、単行本化して再読するまでそれ程いいとも思ってなかったんですけども。
 そう言う訳でどこら辺が良かったか、というとナノさんの無茶さ加減が、晶さんのお母さん、これも宇宙警察の人で宇宙人らしい、の系譜になっているっぽい所です。昔色々滅茶苦茶なことに振りまわされた、と言っていたナノさんが、晶さんを振りまわしていた、というのが巡り巡ってるなあ、と。どっちも基本的にいい人なのも、つまりそう言うの見て育ったが故、と思うとなんだかいい気持ちになります。その晶さんのお母さんが生死不明、というのも解決したいネタだったのかなあ、とも思ってしまいますが。そういう部分をきっちり出来たら、また違う感じになったのかなあ、と。要らぬことを考えてしまうのでした。
 おかしな設定でも女の子は可愛い、がきららミラクな訳ですが*1、この漫画もそう言う可愛さはしっかりと。特にナノさんはメインなのでちょっと面倒な人だけど活き活きしてていいな、と思わされましたし、晶さんも真面目でオカルト苦手というのが妖怪が宇宙人のことというので合わさって綺麗に機能していたと思います。うん、可愛かったよな。もうちょっと見れてたらなあ、とかなんとか、考えてしまうのでありました。

*1:謎の断定