感想 ちゅー太 『音無さんは破壊神!』1巻


ちゅー太 音無さんは破壊神! 1巻
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

 大体の内容「音無さんは神より強い」。ある日、神様は決意しました。地球壊そう。と。自分で手ずからは面倒。ならば代理を立てればいいじゃない! ということで白羽の矢が立ったのが、音無いりすさん。全くノー説明で力を渡して、さあ壊せ。と迫る神様でしたが、音無さんはこれを一蹴してしまいます。ということで、地球破壊系コメディが幕を開けるのでありました。
 さておき。
 この漫画の良さ、というのは切れの良さ、とでもいうべきものでしょう。コール&レスポンスが大変具合がいいんです。打てば響く、というやつで、変な遅延なしにサクサク話が進むのが良いのですよ。音無さんが神様を撃退するのもポンポンと手軽に進みますが、それがちゃんと伏線としての機能もはたしていたり、音無さんと鈴木さんの仲の良さがキマシ塔案件だけど、キマシするだけで深入りしなかったり、新キャラ天使さんがいいキャラで更に事態の理解の一助として綺麗に立ちまわったり、と基本、無駄がない仕上がりなのです。特に天使さんが加わってからは神様方面の神様狂言回しが際立ち、更に神様のお子様っぷりがしっかり見れるようになりつつ、でも話は遅延せずきっちり動くというテクを見せてくれます。
 その立ち回りが極まるのは、この巻最後の話である、音無さんが破壊神モードに入って巨大化してからの件でしょう。その前段階で神様が音無さんに力を吸われて弱っている、からの破壊神モード。そこで神様とやはりバトルしちゃう音無さんに切れた神様がフィニッシュブローを、という流れも今までの積み重ねからすると大変自然ですが、その後の驚愕の新展開には度肝を抜かれます。その手、ありなの!? という。神様、人前に出るには前掛けだけで他全裸なんだけど!? という。この度肝で次の巻へ! という橋渡し具合も上手くて、ちゅー太せんせ、やりおる! と尚の事唸らされます。このペース配分、でも二巻終了になりそうなんだけど! いい感じに決め過ぎです!
 さておき。
 とりあえず天使さんの話でもしましょうか。というか、天使さんは本当にキャラ立ってて、それがちゃんと話に寄与しているのが素晴らしいですね。基本的に神様をいじるのが好きというのが、今後更に一周回って立ち上がってきそうなアトモスフィアもありますし、先述ですが神様視点で神様を見る視点といじる視点が同時に励起するようになったのも大きいです。神様に何かする、という部分があるというだけで、この漫画がここまで豊穣になるとは、というレベルであります。この辺も無駄がないですなあ。
 とかなんとか。