感想 阿部潤 『忘却のサチコ』7巻


阿部潤 忘却のサチコ(7)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

 大体の内容「出会ってしまった二人」。6巻(感想)でも書きましたが、とうとう、サチコさんは俊吾さんと出会ってしまいました。そして二人はどうなるのか、そしてこの漫画どうなるのか。そういうのに対する期待が高まる中、俊吾さんがとった行動とは……。そういうこともありつつ、地域名産や街の美味い店を折々で食べる漫画。それが『忘却のサチコ』なのです。
 俊吾さんがどうしたかというのは、この漫画が続いているということで大体分かった。と思われる事態であります。そう来たか―、というのが個人的な感想だったりもします。まだこの漫画が終わらない、というメタの視点で見るとその行動も納得なんですが、でも、理由くらいはさー。とりあえず、嫌っていたという風な雰囲気ではなかったというので、尚更理由が分からないんですが、それに対する回答はちゃんと用意されているのか。わりと心配になってきました。サチコさんの方もまだ嫌うとかではない状態ではなく、今回の俊吾さんの行動に対して、怒りではなく悲しみ、それもその行動にではなく、ここで出会ってしまったことへの悲しみ、なんで出会ってしまったんだ、というのが強いことから、やはり好いているんだなあ、というのが分かったりしますが、だからこそ俊吾さんさー!
 さておき。
 そんなことがありつつも、今回も美味そうな飯を食うことに余念がないサチコさん。四話みっちり使ったホタルイカの身投げの光景を撮りに行く回での、名物食いまくりはどうにも腹が減ります。白エビにホタルイカ。それらをいろんな味わい方で食べる。それだけのことで、いっちょ旅行に行ってみますか! という、ハラペコリーめいた発言が自分から飛び出して落ち着かせるのが大変でした。流石に遠い! 食道楽で行ってみたいけど、遠い! でも! と思わせるものが、今回もあったので、相変わらず飯テロ漫画だなーと思いました。(小並感)
 さておき。
 基本、変な人なサチコさんですが、そのサチコさんに小林さんが、もしかして。というのが今回にじんでいたのが個人的には着目点として立ち上がって来ました。なんか、端々で小林さんが意味ありげなんですもの。お店に連れていくのも、サチコさんの反応がだいぶ変わっているから、という風にみると、色々引き出したいのかしら。とか。でも、サチコさんの相手って大変そうだから、素直にやめておいた方がいいと思うなあ、と勝手に邪推しておきながら思ったり。
 とかなんとか。